健康になろうとするがあまり、自らの血管にフルーツジュースを直接注入した女性が中国で話題になっている。複数の現地メディアが報じた。
中国では、高齢化などを背景に健康に気を使う人も多くなっていて、現地の医師は「中には非科学的な健康法も蔓延している」と警鐘を鳴らしている。
■「栄養豊富だから」静脈に注入
中国湖南省の地元紙「瀟湘晨報」は3月17日、同省の51歳の女性が、危険なチャレンジを試みたと報じた。
「身体に良い」と聞けばなんでも試してしまう性格。家族も健康のためならと女性を止めなかったことが、女性の健康オタクぶりを加速させた。
2月22日、女性は家にあった20種余りの果物を混ぜてジュースにすると、簡単に濾したあと自らの静脈に注入した。まもなく、皮膚に痒みのような違和感と体温が上がったような感じがしたというが、誰にも言い出せなかった。
その晩、夫が異変に気づき病院に連れて行ったが、より規模の大きい病院へ移すよう言われ、救急車で搬送された。運ばれた病院の医師が診察したところ、肝臓や腎臓、それに心臓などに影響が出ていて、集中治療室で5日間、治療が続けられたという。
女性は一命を取り留めたが、地元メディアに対し「ジュースは栄養豊富だから、身体に注入しても良いことばかりだと思った。なぜこんなことをしたのか分からない」と話したという。
■高齢化社会到来...健康に気を使う人多く
中国では長年続いた一人っ子政策の影響で、人口分布がアンバランスになりつつある。65歳以上の高齢者は人口の11.9%を占めていて、今後さらに高齢化が深刻化すると言われている。
一般市民の間でも、老後を意識するなどして健康に気を使う人は多くなっていると言われているが、ジュースを注入した女性を診察した医師は「生活水準が上昇していることもあり、健康志向が高まっている。一方で、非科学的な健康法も蔓延している」と警鐘を鳴らしている。