フリーランスで働く人がトラブルに巻き込まれたら?あるいは、もし病気になったら...?
この大きな悩みを解決しようと、フリーランスで働く個人を支援する一般社団法人「プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会」は4月26日、大手損保の損保ジャパン日本興亜と提携して、会社員に比べて不十分なフリーランス向けの賠償補償や社会保障を補完する取り組みを始めると発表した。
2017年1月にフリーランスワーカーらが企業と連携して設立した同協会は、会員(年会費1万円)に対して、フリーランス特有のリスクに備える賠償責任保険や、健康診断の優待など福利厚生サービスを提供するほか、病気・けがで働けなくなった際の所得補償制度を割安で提供するサービスを始める。会員の先行募集は7月から、一般募集は秋からスタートさせる。
フリーランス協会代表理事の平田麻莉さんは「私自身も7年前にフリーランスという働き方を選んだ1人。保険や年金など多くの不便はあったけれど、『規格外の働き方だから自己責任』と甘んじて受け止めていたところもある。でも、政府が働き方改革を推進し、個人の側にも柔軟な働き方を望む人が増えた現在、フリーランスの働き方をサポートする制度がもっとあるべきだと考えるようになった」と狙いを語った。
賠償責任保険と、福利厚生サービスは、フリーランス協会の会員になれば自動的に受けることができる制度とした。
賠償責任保険では、例えば「業務中に誰かに怪我を負わせてしまった」「預かった商品を壊した」「情報漏えいが発生した」「何らかの事故で納期に間に合わなかった」として、訴訟になった場合、フリーランスワーカーが金銭的な補償を受けることができる制度。協会によるとこうしたフリーランス向けの賠償保険は日本初の仕組みだという。
また、福利厚生サービスでは、会計ソフトを一定期間無料で使用できるサービスのほか、健康診断やコワーキングスペース、キャリアアップのための研修サービスなどで優待を受けることができる。
一方、任意加入の仕組みとして、損保ジャパンはフリーランス向けの「労災補償」に当たる所得補償制度を新たに提供。けがや入院などで働けなくなった場合に保険金を受け取れるサービスを、会員に対して通常よりも割安で提供するという。
フリーランス協会幹事会員のWarisなど5社で広報を担当する中野綾佳さんも、フリーランスで働いている1人。
数年前、インフルエンザで2週間体調が戻らず仕事を休業、収入が一時的に減った経験があるので、所得補償制度に興味があるという。ハフポストの取材に「これから年齢も上がるので、健康面でフリーランスで働き続けることへの不安もある。健康診断の優待や保険の仕組みはありがたい」と話した。