フリーゲージトレイン、新車両を公開 長崎新幹線への導入目指す

線路幅に合わせて車輪の間隔を変更できるフリーゲージトレイン(軌間可変電車)の新車両が4月19日、熊本市のJR九州熊本総合車両所で報道陣に公開された。
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線路幅に合わせて車輪の間隔を変更できるフリーゲージトレイン(軌間可変電車)の新車両が4月19日、熊本市のJR九州熊本総合車両所で報道陣に公開された。朝日新聞デジタルが報じた。

赤と金色を基調とした流線形の新型電車は一見ふつうの新幹線に見えるが、レールの幅が異なる新幹線(1435ミリ)と在来線(1067ミリ)の両方を走れる。国の主導で1997年度に開発が始まり、これが3番目の試験車両。最高時速270キロまで出せる。

(朝日新聞デジタル「フリーゲージ走行試験 九州新幹線長崎ルート導入目指す」2014/04/20 00:58)

一般的な鉄道車両は特定の幅の線路しか走行できない。新幹線の線路幅は143.5cm、JR在来線では106.7cmとなっており、それぞれ専用車両が必要だが、フリーゲージトレインは「軌間変換装置」を用いることで、その両方を走行することができる。在来線部分と新幹線部分が混在する九州新幹線長崎ルート(長崎新幹線)への導入を目指している。

走行試験は、20日未明から始まった。2016年度までの3年間にわたって計60万キロを走行して、安全性や耐久性を調べる方針だ。長崎ルートは、博多〜新鳥栖と武雄温泉〜長崎間で標準軌の線路を使用するが、新鳥栖〜武雄温泉間は在来線の線路を使うため、フリーゲージトレインの開発が不可欠となっていた。

フリーゲージトレインは1997年から開発がスタート。2009年までの13年度末までに国費390億円を投じたビッグプロジェクトだが、従来にない構造の車両だけに実用化に時間がかかっている。長崎新幹線は2022年の開業を目指しているが、フリーゲージトレインの開発が間に合うかは予断を許さない状況だ。

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