■ 日本だけでなく中国でも森林火災が深刻な問題に
日本は四方を海に囲まれていますが、じつは豊かな森林に恵まれた「山の国」でもあります。国土に占める森林の割合(森林率)は約67%。これは森と湖の国として知られるフィンランド、スウェーデンと同じくらいです。
世界でも有数の森林国である日本。その日本で近年、問題となっているのが森林火災です。最近5年間のデータでは、1年間に平均1,800件も発生し、東京ドーム200個以上の約1,000ヘクタールもの森林が毎年消失しているのです。2013年には、過去5年間の平均を上回る2,020件もの森林火災が発生、その約70%が「たき火」や「たばこ」など人的要因によるものでした。
こうした森林火災の問題は日本だけにとどまらず、お隣の中国でも深刻な問題です。発生件数は毎年約9,000件にも達し、じつに東京ドーム1万個分にも匹敵する4.6万ヘクタールもの森林が消失しているのです。
■ 森林火災を早期発見し、異常事態を監視
富士通が開発したのは、監視カメラがとらえた映像を画像処理し、森林火災を高速かつ高精度に検出する技術です。当技術により、森林火災の早期発見と異常事態の監視が期待できます。
具体的には、監視カメラで半径5km先までの映像をリアルタイムで撮影し、離れた場所にある監視センターに無線で送信。専用のシステムで映像を分析し、映像の中から霧や光化学スモッグなど、煙や炎の解析の妨げとなる情報を除去します。次に、クリアになった煙と炎の映像をもとに、その動き方や色、形状などをさらに詳細に解析し、森林火災かどうかを判定します。
現在、中国・湖北省での実証実験を終え、現地林業局において運用を開始しており、他地域での拡販を進めています。富士通では今後も、社会課題を解決する「ソーシャルソリューション」に注力していきます。
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