バーナンキ議長は、18日−19日に開催されたFOMC(連邦公開市場委員会)終了後に行った記者会見で、日本政府や日本の取組みを支持すると答えた。
FOMCは、日本で言うところの日銀の金融政策決定会合に相当する委員会のことで、現在の景況判断や、米国における金融政策の決定などを行う。世界経済の中心的な役割を担っている米国であるため、FOMCの会合の開催時には毎回、世界中から注目が集まる。会合の後に議長が記者会見を行い、前回の会合と比べて、議長の話す内容がどのように変わったかなどが注目される。
英国紙ガーディアンによると、今回の会合後記者会見において、日本の景気刺激策について質問を受けたバーナンキ議長は、この策や、安倍晋三首相の3本の矢のアプローチを支持すると明言。日本銀行はデフレ脱却のためにアグレッシブなアプローチを取る必要があると発言した。また、日本の取組みを支持するとし、この取組が米国経済にも影響を与えるとも述べたとのことだ。
また、ロイターは、バーナンキ氏の発言の内容について、下記のように報じている。
<デフレ脱却に向けた日銀の取り組み>
デフレは長年にわたり日本の問題であり、日銀は極めて困難かつ定着したデフレと戦っている。デフレ見通しを打ち破り、インフレ率を日銀が定めた2%の水準まで上昇させるには非常に積極的な政策が必要だ。
だからこそ非常に難しく、積極的でなければならない。積極的な政策の初期段階においては、投資家がまだ日銀の反応関数を学んでいるため、ボラティリティーが生じても格段予想外ではない。また日本国債市場は、例えば米国債市場と比べて流動性が低いこともある。
(ロイター「UPDATE 5-バーナンキ米FRB議長の会見要旨」より。 2013/06/20 07:29)
なお、今回のFOMCの注目点となったFRBの量的緩和がいつ縮小されるかという点については、確かな時期は示されなかった。しかし、米国における金融緩和の引き締め後は、日本が米国の代わりに国際的な資金流動性を供給するという見方もある。米国としても日本にコケてもらいたくないという意図もあるのではないだろうか。