空港での長い列やキャビンの窮屈な座席を考えると、飛行機の旅は気が滅入る。しかし、米国で長距離の移動をするなら飛行機を使うのが一番速い。さらにミシガン大学交通研究所(UMTRI)が行った最近の調査によれば、飛行機を使っての移動は速いだけでなく、かなりエネルギー効率が良いことも分かった。
UMTRIの研究員、マイケル・シヴァク氏が調査の基準としているのが、ある距離を1人の人間が移動するために必要なエネルギーを測るエネルギー強度という単位だ。70年代には飛行機よりも自動車の方がエネルギー強度が弱かったが、今ではその数値は完全に変わってきている。2012年の調査によると、米国で国内線に乗って旅するよりもクルマで移動する方が、エネルギー強度が2.07倍も大きいという。
現在でもクルマによる移動は、2012年時点における飛行機での移動と比べると、エネルギー効率が遠く及ばない。シヴァク氏によると、2012年の米国全体における自家用車の平均的な燃費は21.6mpg(約9.2km/L)で、飛行機のエネルギー強度に並ぶには、計算上この数字が44.7mpg(約19km/L)になる必要があるという。だが、これだけの差はすぐには埋まらないだろう。UMTRIの調査では、平均的な新車の燃費は2015年3月までで25.4mpg(約10.8km/L)、2014年全体では25.3 mpg(約10.7km/L)だった。
次に飛行機の狭い座席に座るときには、少なくともクルマよりは燃費効率が良いということを心に留めておくことにしよう。調査の要約についてはPDF(英語)を読んでいただきたい。
By: Chris Bruce
翻訳:日本映像翻訳アカデミー
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(2015年05月05日TechCrunch Japan「クルマで移動するよりも飛行機に乗る方がエネルギー効率が良い?」より転載)
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