失業者や低所得者専用のスーパー、「ソーシャル・スーパーマーケット」とは?

イギリスでは初めてとなる「ソーシャル・スーパーマーケット」の開店が話題を呼んでいる。失業者など福祉手当の受給者に顧客を限定し、スーパーなどで余剰となった商品を格安で販売する。
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Don Bayley via Getty Images

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英国で社会起業家が、低所得者向け「ソーシャル・スーパーマーケット」を開店

英国では初めてとなる「ソーシャル・スーパーマーケット」の開店が話題を呼んでいる。失業者など福祉手当の受給者に顧客を限定し、スーパーなどで余剰となった商品を格安で販売する。

ソーシャル・スーパーマーケットが開店するのは、英国ヨークシャー地方にあるゴールドソープという町。「コミュニティ・ショップ」と名付けられた店では、食料品や飲料が通常価格の3割程度の価格で販売される。

提供される商品は、賞味期限が近かったり、パッケージに多少の難があるものなど、通常の流通ルートには乗らなくなったものが中心。

買い物袋一杯に食品を購入しても数百円の価格で済むような値付けになっている。すでに大手の小売業者との提携が出来ており、十分な数の商品を仕入れることが可能だという。

買い物をすることができるのは、基本的に会員のみ。会員資格を得ることができるのは、店から一定のエリア内に住み、失業保険や年金など、何らかの福祉手当の給付を受けている人に限定される。

また店内では、食料品の販売だけではなく、福祉手当受給者へのサービスも行う。債務の処理、料理の方法、履歴書の書き方、家計簿の付け方などについてアドバイスを受けることができるという。

このスーパーは、いわゆるボランティア活動による食料の配布とは異なっている。この店を運営する会社は、スーパーなどの余剰食品などの再流通を行うカンパニーショップ社の子会社となっている。同社の経営陣は社会起業家としても知られており、このプロジェクトも基本的に利益が出るように工夫されているという。経営陣は初年度中に黒字化のメドを付けたいとしている。

欧州ではすでに低所得者専用のスーパーが1000件ほどあるという。だが今回のケースは英国では初めてということと、本格的な流通システムに組み込まれているという点で大きな注目を集めている。同社は2014年半ばにはロンドンで6店舗、2014年末までにはロンドン以外の地域で20店舗を出店する予定を立てている。

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