写真の女性はクリスティン・マウ中佐。彼女はアメリカ空軍のステルス戦闘機「F-35ライトニングII」の初の女性パイロットに選ばれた。写真は、マウ中佐が5月5日にフロリダ州のエグリン空軍基地から初フライトする時の様子をとらえている。
彼女が操縦するF-35は最新鋭の戦闘機だ。テレグラフ紙によれば、最新式の情報収集技術やステルス技術を装備しているうえ、音速の2倍近い速度で飛行できる。2013年にこの戦闘機を操縦したイギリスのテストパイロットは、「信じられないほど素晴らしい戦闘機だ」と報道機関に語っている。
F-35のパイロットになるまで、マウ中佐は「攻撃する鷲」という愛称で知られる戦闘爆撃機「F-15E」を操作してきた。今回初めてF-35を操縦した時の様子をマウ中佐は次のように語っている。「滑走路に移動して初めて、自分が本当にひとりきりで戦闘機に乗っていると実感しました。私の機体を追跡している飛行機はいましたが、私のうしろに兵器システム担当士官や、指示を出すパイロットが座っていたわけではありませんし、シミュレーターのように、耳元に話しかけてくれる人もいませんでした」
空軍によると、マウ中佐はエグリン空軍基地で4年にわたってF-35の訓練プログラムを受け、そして88人目のF-35パイロットに選ばれたという。このプログラムには、海軍や、海兵隊、連合軍も参加している。
初の飛行からの帰還後、機体洗浄装置「バードバス」を通過するクリスティン・マウ中佐の乗ったF-35A戦闘機。エグリン空軍基地で2015年5月5日撮影
政治サイトの「ザ・ヒル」に書かれているように、1990年代以降、女性も戦闘機に乗るようになった。しかし空軍によれば、マウ中佐は「空軍の主力戦闘機で飛行した初の女性」だという。
マウ中佐が「女性初」の快挙を成し遂げるのは、今回が初めてではない。アフガニスタンに派遣されていた2011年、彼女は初めて女性隊員だけで構成された空軍部隊のメンバーに選ばれている。
アメリカ初の女性空軍部隊
マウ中佐は、今回のプレスリリースのなかで次のように述べている。「空を飛ぶということは、とても平等なことです。飛行機はパイロットの性別など知らないし気にもかけません。飛行機の援護を必要とする地上部隊もそうです。パイロットに求められるのは、確実に任務を実行することだけなんです。空を飛ぶ時に必要なのは、自分のやるべき仕事を最高にうまく遂行することだけです」
この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。
[日本語版:梅田智世/ガリレオ]
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