昨日1/20の板橋区議会区民環境委員会において、ホタル生態環境館におけるホタル飼育の実態に疑問を投げかける、衝撃的な報告がなされました。
決め手となったのは...?
先ほど、歩いてホタル生態環境館まで行って、写真を撮ってきました。
毎夏のように足を運び、ホタルの光の乱舞を見てきたホタル生態環境館です。
冷たい雨の中、やり場のない悲しさ、虚しさを感じます。
およそ1年前の予算審査特別委員会の総括質問において、私はホタル生態環境館でのホタル飼育実態についての質問を行いました。
ホタル飼育はまず実態解明、その後に存廃の議論をせよ―平成26年度予算総括質問(1)
重要なポイントであったのは、2014/2/19の区民環境委員会でなされた
「ホタル成虫を持ち込んでいたという証言がある」
という答弁でした。
本当にホタルを持ち込んでいたなら、
「平成元年に福島県大熊町からゲンジボタルの卵300個を譲り受け、以来25年にわたって交配を繰り返し、一度も途切れることなく成虫へと孵化させて、毎年夏にはホタルの乱舞が見られる」
というホタル生態環境館の姿が、大きく揺らぐことになります。
それから長らく調査に進展がなかったのですが、昨日1/20の区民環境委員会を傍聴し、さらに衝撃的、かつほぼ決定的とも言える報告を聞きました。
■今いるホタルは「代々飼育されてきたものではない」と言える、決定的な証拠
1/20の区民環境委員会で配布された報告書は、区のHPからダウンロードできます。
ホタル等生息調査結果と元飼育担当職員の報告数との乖離について | 板橋区
非常に多角的に調査をしており、区側の正当性をひとつひとつ固めていくような構成になっています。
その中でも、今まだ若干数飼育されているホタルが、平成元年から代々にわたって飼育されてきたものでは「ない」と言える、決定的な証拠が提示されていました。
「ホタルのDNA解析」です。
ゲンジボタルの遺伝子情報は大きく分けて6パターン存在しており、その6パターンの生息地域は日本地図上で明確に分かれているそうです。
DNAパターンの違うホタルが本来の分布ではないエリアに入っていることは、自然環境ではあり得ないとされ、もしそういうことがあれば、人為的に持ち込まれたと判断することができるとのことです。
区の資料からの抜粋です。
板橋区のホタルが福島県大熊町から譲り受けた卵から25世代後の子孫であるならば、DNAパターンは「グループⅠ」でなければならないはずです。
しかし、DNA解析の結果は...。
13匹のホタルのDNAを解析した結果、分析不能のものを除けばいずれも中部・東海・西日本のいずれかの由来であり、東北由来である「グループⅠ」は存在しない...ということが判明しました。
よって、現在のホタル生態環境館のホタルは外部から人為的に持ち込まれたものであり、福島県大熊町から譲り受けて以来25世代にわたって累代飼育を行ってきた実態は、少なくとも現時点では存在していない...と、結論づけざるを得ないわけです。
■やるせない想い...。なぜ、こんなことに?
ホタル生態環境館の周辺や高島平地域センターには、こんな立て看板が置かれています。
「ここは『ホタルの棲むまち』です」
今となっては、虚しい空気を周囲に撒き散らしています...。
1/20の区民環境委員会では、東日本大震災の被災地でもある福島県大熊町に実際に足を運び、話を聞いたという委員からの発言もありました。
仮設住宅に住む大熊町民が、電子掲示板に書かれた「今年の夏も、板橋区では、大熊町生まれのホタルが命をつないで光の乱舞を見せています」といったお知らせを見て励ましになっていた...というエピソードを聞くに、その想いを裏切るようなこの事実に、やるせないとしか言いようのない想いを感じます。
なぜ、こんなことになったのでしょうか...?
事実調査では区には及びませんが、私は板橋区議会議員として、区政の問題として聞かなければならないことがあると思っています。
今年の3月も、予算総括質問の時間をいただいています。
それに向けて、質問内容を練っていきたいと思います。