消防士と機動隊が「激突」:スペイン緊縮財政への抗議で

スペインのバルセロナで5月29日(現地時間)、歳出削減に抗議する大規模な抗議行動が行われたが、そのなかで、消防士たちが、火を消すのではなく火をつける側に回るという一幕が見られた。
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AFP時事

スペインのバルセロナで5月29日(現地時間)、歳出削減に抗議する大規模な抗議行動が行われたが、そのなかで、消防士たちが、火を消すのではなく火をつける側に回るという一幕が見られた。

公務員である数百人の消防士らは、黄色いヘルメットと赤いジャケットを身につけて、カタルーニャ州の議事堂前に集結し、機動隊と衝突した。一部には、発煙筒に火を点けたり、発煙弾を投げつけたり、「公共サービス」と書かれた急ごしらえの棺を燃やす者もいた(文末のギャラリーでは、デモンストレーションのための炎を取り囲む消防士たちの姿を見ることができる)。

AFPの記事によると、消防士たちの組合は声明で、人員と予算を削減されると、消防士やカタルーニャ州の人々の安全が損なわれると警告している。バルセロナがあるカタルーニャ州は、スペイン北東部に位置しており、同国のなかでも経済的に強い地域だ。

スペインではここ数カ月間にわたって、激しい抗議行動が展開されている。2月には、マドリードで行われたデモの最中に、デモ参加者と機動隊が衝突し、数十人が逮捕されたとReutersは当時報じている。

Associated Pressによれば、欧州連合(EU)はこの日、スペインを含むいくつかの加盟国に対して緊縮財政を求める強硬な姿勢を和らげ、財政赤字をコントロールするための猶予期間を与えた。ただし対象国は、ただちに労働市場に焦点を向け、自国の経済をテコ入れするための改革を実行する必要がある、と欧州委員会(EC)は述べている。

以下のギャラリーで、消防士と機動隊の激しい衝突を見ることができる。

Sara Gates(English) 訳:佐藤卓/ガリレオ)