メキシコ湾の海上に巨大な炎が出現した。「海が燃えている」「炎の目が海に現れた」と世界のSNSで話題になっている。
現地テレビ局「テレビサ」が7月3日に公式YouTubeに投稿した動画を見ると、海上掘削施設の近くの海面に、直径数十メートルはありそうなオレンジ色の炎が海上で燃えさかり、3隻の船が水をかけて消防作業をしている。
同局は動画のキャプションで、メキシコ南東部の都市カンペチェの沖で、国営石油会社「ペメックス」の海底パイプラインでバルブが破裂して火災が発生したと解説している。
■約5時間後に消火。負傷者なし
ペメックスは、ク・マローブ・ザップ油田で7月2日午前5時15分に火災が発生したと公式サイトで発表。海底パイプラインのガス漏れが原因だという。消防船の活動とパイプラインのバルブが閉じられたことで約5時間後に消し止めた。負傷者は報告されていないとしている。同社は事故原因を調査しているという。
ブルームバーグによると、ク・マローブ・ザップ油田はペメックスで最も生産能力が高い油田の1つ。1日あたりの原油生産量は70万バレル以上で、同社の総生産量の約40%を占めているという。
SNS上では「海面がまさしく火の海になった」「すさまじい映像だ」「とても現実とは思えない光景」と反響を呼んでいる。映画『ロード・オブ・ザ・リング』に「炎の目」の姿で登場するキャラクターになぞらえて、「サウロンの目が出現した」と指摘する声もあった。