要は、実際のお金の流れからすると、国債を発行するということは、国民からすれば国債を買う、すなわち「支出」、国(政府)からすると「収入」。国債の満期(返済期限)がくると、国民には「収入(償還金)」が入ってくるし、国(政府)は「支出(支払い)」をしなければならない。結果、「差し引きゼロ(正確に言えば、利子分や国債価格差額分を除く)」ということになるわけです。
ただし、これはあくまで国債の売買が国内(日本国民が買っている場合)だけで行われている場合。ギリシャや南米の国のように外国(人)が半分以上買っている場合は、国のお金が外国に流出するわけですから、「差し引きゼロ」とは到底ならない。ここが問題なんですね。
ただ、この点でも、日本の場合は、今でも90%以上は内国民(日本人)が国債を買っている。だから、まだまだ大丈夫なんですね。
皆さん、財務省やメディアが言うことを鵜呑みにしないで、ちょっと思考を先に延ばしてみましょう。この講座は「財務省のマインドコントロール」を解くためにあるんですから、国債はデフォルトする可能性があるとか、国全体、マクロを論じているのに、ミクロで反論したり、細かいことは言わず、ざっくりと考えて下さい。
(2016年6月12日「衆議院議員江田けんじ 日々是好日」より転載)