11月6日に明治神宮外苑で開かれていた「東京デザインウィーク」の木製の展示物が燃えて、5歳の男児が死亡した事故で、この展示物内に白熱電球が使われていたことが判明した。警視庁への取材でわかったと朝日新聞デジタルなどが報じた。
治神宮外苑のイベントで起きた火災から一夜明け、木製のジャングルジムが燃えた現場付近を検証する警視庁の捜査員ら=7日、東京都新宿区(一部、画像処理しています)
火災は6日午後5時15分ごろ発生。日本工業大学の学生らが作った「素の家」という木製のジャングルジムのようなアート作品が燃えた。中で遊んでいた東京都港区の幼稚園児、佐伯健仁(けんと)君(5)が死亡し、父親(44)らがけがをした。
展示物は骨組みに木くずが絡みつくように飾られていて、中から電球で照らしていた。四谷署では、白熱電球の熱が木くずに伝わって燃え広がった可能性があるとみており、7日午前、業務上過失致死傷容疑で現場検証を始めたという。
■一転した大学側の説明
6日の日本工業大学の成田健一学長らの会見では、ジャングルジムの照明に「LED電球を使っているが、白熱電球は使っていない」と学生側は火災発生後、大学に伝えていたと説明していた。
しかし、7日に成田学長らが再び会見を開き、作品の設置作業のために使っていた白熱電球系の熱を発するタイプの投光器を、学生の判断で、作品を照らすための照明として使っていたことを明らかにした。NHKが撮影した映像によると、展示物の1段目の角の内側に、植木鉢のようなものが置かれ、その中に投光器が設置されていたという。
成田学長は「学生が作品をよく見せるために投光器を使ったと思われる。火災の原因となったかどうかは消防などの調査を待ちたい」と話している。