先週の火曜日(7月25日)、驚愕の数字がFiji Times(フィジーで発行部数NO1の新聞)の一面に踊った。
何の数字かと思って読んでみると、
フィジーの13〜17歳の学生を対象にした調査(WHO 2016)で、「セックス経験がある学生のうち、13歳以下で初体験した学生の割合」が48%だという。
さらに、13〜15歳の学生のうち、経験がある学生は16%(日本の中学生の経験率は2〜4%[日本性教育協会])。そのうち13歳以下で初体験した学生の割合はなんと
昨今、フィジーでは性教育のあり方について迷走していたこともあり、今回の記事はフィジー国民に大きな衝撃を与えることになった。
十代の女子たちの望まない妊娠が増加傾向にあったこともあり、無知による性被害を減らすため、2014年頃から学校での性教育の内容が変化し、露わな言葉やイラストが使用されるようになった。
それに対し、子をもつ親たちや教職員組合、教会(フィジー国民の多くはキリスト教徒)等が猛反発。
教師たちからは、「教えるのが難しい」「『親から教えてもらっている内容と全然違う』と子供たちが混乱している」等の声。
また、教会や親たちからは、
「学校での授業が性への関心をより高めてしまい逆効果だ」
「フィジー文化は西欧とは違い、性に対して開放的ではなく繊細なので、露骨な表現は避けるべき」
「こういうものは教えなくても大人になれば自然に学んでいくから、学校での教育は必要ない」「授業を受けるかどうか、親が選択できるようにすべきだ」
等の意見があがった。
世論の反発を受け、2015年、教育省は見直しを決定。翌年(2016)、改訂した教科書を各学校に配布した。
しかし、実際には新しい教科書が届かず、古い教科書が継続して使われている学校もあり、教育省は新しい教科書のデータが入ったCDを配ったり、Webで公開したりと問題の収束に苦心している。
ついこの前の土曜日(7月29日)、一面記事は。宗教的にも、社会的にも、経済的にも、中絶は難しかったりする。
世界でいちばん幸せな国を揺るがす性の問題。出口はみえてこない。