アメリカのマクドナルドで勤務中にセクハラを受けたとして女性10人が5月22日、マクドナルド社とフランチャイズ店を提訴した。
彼女たちの支援をするのは、#MeTooのムーブメントで設立された基金。
マクドナルドでは、店内で調理やレジなどを担当する従業員が、10件のセクハラを訴えた。未成年の女性も含まれており、デトロイト、ロサンゼルス、ニューオーリンズなど9都市の店舗で声が上がっている。
シカゴにある店舗では、男性マネージャーが女性従業員に対し、「陰茎を見たいか」などと聞いて来たり、その女性従業員にしてみたい性的な妄想を詳細に語ってくるなどしていた。
この女性従業員は、セクハラを訴えたところ、解雇されたという。
ワシントンポストなどによると、セントルイスの店舗でレジを担当していた15歳のBreauna Morrowさんは、男性同僚から、彼女の身体のことやその同僚が彼女にしたいことを、わいせつな表現でしつこく話されたという。
セクハラだと上司に相談したが、「訴えても、あなたが勝つ見込みはないよ」などと言い、上司は何もしてくれなかったと訴えている。
また、ニューオーリンズの店舗に勤めるTanya Harrelさんは、仕事中に同僚に尻を触られたが、上司は真剣に取り合ってくれなかったと語った。
そのうえ「君が同僚を誘惑したんじゃないか」などと言う上司がいたという。
彼女は、ほかの同僚にトイレに押し込まれて襲われそうになったこともあった。だが、「会社は彼を罰するとは思えなかった」といい、2つ目の事案については、会社に報告することもなかったと語っている。
また、ファイト・フォー・15ドルによると、マクドナルドは2年前、この団体を通じて女性従業員が訴えた多くのセクハラ疑惑について調査すると約束していたという。
しかし「今日までこの問題は解決されていない」と、同団体はツイートしている。
シカゴの従業員で、ファイト・フォー・15ドルのメンバーでもあるAdriana Alvarezさんは、「#MeToo運動は、ハリウッドの女優たちには変化をもたらしたかもしれない。でも今回の告発で、セクハラがマクドナルドのメニューにまだ残っているということがはっきりした」と、訴えた。
訴訟費用を負担し、彼女たちの後押しをしているのは、2018年1月にできた「タイムズアップ・セクハラ被害者支援基金」。
セクハラがまかり通っていた時代や、被害者がセクシャルハラスメントを黙殺していた時代は終わった、という意味が込められている。