音楽フェスをフリーでライブストリーミング配信するとチケット販売にプラス効果:チケットサービス調査結果

近年海外の音楽フェスティバルでは、イベントの模様をリアルタイムで情報発信する傾向が高くなりました。
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coachella 2014 by Thomas Hawk used under CC BY

近年海外の音楽フェスティバルでは、イベントの模様をリアルタイムで情報発信する傾向が高くなりました。魅力的なラインアップ、スケールあるステージ演出、入手困難なチケットなど、音楽フェスについての話題性が音楽メディアやソーシャルメディアの普及によって広く伝播することで、世界中の音楽ファンはこれまでにないほど音楽フェスの情報を知ることができるようになりました。

この音楽ファンと音楽フェスのつながりを拡張するのが、「ライブストリーミング配信」です。

海外では、コーチェラ・フェスティバルロラパルーザボナルー・フェスティバルiTunesミュージック・フェスティバル、EDM系のUltra Music FestivalTomorrowlandなど、人気のフェスの多くは毎年フリーでライブストリーミング配信を行ない、参加できない音楽ファンを楽しませてくれます。フェスティバルの分野では、ライブストリーミング配信は世界中の音楽ファンとつながりイベントの認知を高めるための戦略でありトレンドになっています。

では、ライブストリーミング配信は見ている人にどのような影響があるのでしょうか?  オンラインチケットサービス「Eventbrite」が今夏に行なったライブストリーミング配信に関する興味深いリサーチの結果を発表しました。Eventbriteによれば、ライブストリーミングを行うイベントは、音楽好きな若者のチケット購入意欲を掻き立てるのに一役買っていることが分かりました。

調査によれば、69%の新世紀世代(ミレニアル. 2000年代に成人を迎えた世代)は、ライブストリーミング配信を見た音楽フェスには、いつかフェスに参加したいと答えたことが明らかになりました。

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高額なチケット代など参加するための障害になる可能性がありますが、ライブストリーミングは音楽ファンがフェスの盛り上がりに共感し、行ってみたいと思わせるキッカケの要因につながることから、フェス運営者にとってさらなる動員増加においてプラス効果に働いていると言えます。

フェスをフリーでライブストリーミング配信をすることは、イベントオーガナイザーやアーティスト、レコード会社にとって、好きなアーティストや刺激的な週末を体験したくてもできない音楽ファンへ、聴く楽しみとは違い「音楽を視覚化」して楽しめる総合的なコンテンツを届けることが可能になり、イベント参加者と視聴者がソーシャルメディアで思いや話題性が拡散するインタラクションと重なり、イベントへの関心や興味、没入体験を向上させることへとつながります。

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またEventbriteの調査では、ミレニアルの5人の1人(17%)が過去1年以内に音楽フェスに参加したと答え、行くと回答した人の多くは学生で、社会人よりも多い人数がフェスに参加していることが分かりました。

Eventbriteはまもなくミレニアルと彼らの音楽フェスに関しての行動を分析した詳細な調査結果を発表するとしています。

日本ではまだ音楽フェスのライブストリーミング配信は定着していませんが、フェスへの動員増加や新しい音楽との出会い、新たなターゲット層へのリーチする手段として、有効だと思いますし、今後も検討していく価値のある領域だと思います。

ソース

(2014年7月28日「音楽ブログ「All Digital Music」より転載)