私が生まれる数日前、私の父、当時のケネディ上院議員はNBCニュースのインタビューを受けた。1950年代の米国では一般的な考え方だったのだろうが、インタビュアーはこのような質問をした。「男の子が生まれたら、政治の道に進んでほしいと思いますか」。時代を先取りすることに長けていた父は(その後まもなく、この父の先見の明から、世界はさまざまな影響を受けることになるのだが)このように答えた。「もちろん。でも娘が生まれたとしても、何らかの役割を果たしてほしいと願っている。これは男性に限定すべきことではないと思う」。(このインタビューの模様はここで見ることができる)
日本では「ウーマノミクス」(womenomics)が国民的な論議を呼んでいる。議論の中心は働く母親のニーズと社会貢献の可能性についてだが、「父の日」を迎える週末は、父親の役割をたたえ、仕事と家庭のバランスは女性の問題にとどまらないことを再認識するのにふさわしい。
児童心理学者のカイル・プルエット・エール大学教授が著書「Fatherneed」で書いていることだが、父親が子どもの人生に深く関わると、子どもは学校でよりよい成績を収めるそうだ。父親が子どもと深く関わる場合の方が、あまり関わらない場合よりも、子どもは学校でのストレスや不満によりうまく対応できる。そして若い男性が人生という旅に出ようとするときには、父親を必要とする。
つまり、父親が子どもの人生に費やす時間を持つことは、目に見える形で社会に役立つ。
社会にとっての恩恵は他にもある。男性の家庭への関与が増えれば、女性は学校に戻ったり事業を始めることができる。子どもが病気のときは夫が看病を手伝ってくれる、あるいは子どもの夕食は夫が作ってくれるとわかっていれば、女性はキャリアを追求できる。日本の女性がもっと積極的に経済活動に参加すれば、国内総生産(GDP)も増大し、子どもを世話するために時々仕事を休まなければならない男性たちを雇用する企業を含め、日本の誰もが恩恵を受ける。
1957年にインタビューを受けたとき、父はすでに、性別や人種を問わず、あらゆる市民に平等な機会が与えられる将来の社会について考えていた。これまでに女性の役割について、重要で好ましい影響を与えた男性の多くには娘がいるが、それは偶然ではないと思う。「娘が上司にどのように扱われるのが望ましいか」。「母親に対して同僚にどのように振る舞ってほしいのか」。「父親が孫と過ごす時間が増えれば、孫たちはもっと幸せではないのか」。男性がこのような質問を問いかけるようになれば、皆のためになる。
皆さんにとって素晴らしい「父の日」になりますように!