IS(イスラム国)の戦士として史上最年少のイギリス人自爆テロリストとなった17歳の少年。彼の家族は、死亡の知らせを受け取り、「精神的に打ちのめされています。胸が張り裂けそうです」と話した。
ISに関連があるTwitterアカウントに、「アブ・ユスフ・アル・ブリタニー」と書かれた画像が投稿された。この画像に写っている少年は、ISでは「アブ・ユスフ・アル・ブリタニー」と名乗っていた。本名はタルハ・アスマル。イギリスのウェスト・ヨークシャー、デューズバリーの出身だ。彼はイラクの石油精製所付近で自爆テロを行い、11人が死亡したとされる。
BBCのトム・サイモンズ記者によると、「アル・ブリタニー」とはISに参加したイギリス人によく与えられる接尾語だという。アスマルの家族は彼を「愛情深く、優しく、思いやりのある子」だと振り返った。
「アスマルは誰かに対して悪意を持ったことはありません。それに彼は、それまで暴力的で過激な思想も、極端な考え方も見せたことはありませんでした」
アスマルと思われる画像が、Twitterにアップロードされた。
「タルハの穏やかな日々、そして純朴な彼の性格が、素性のわからない人間によって食い物にされたようです。その人間はインターネットの匿名性の後ろに隠れて、タルハを標的にして近づきました。そして巧妙に計算された洗脳教育を行ったんです」
アスマルのように、SNSやYouTubeなど、ネット上のプロパガンダに感化されてIS入りする若者が後をたたないのが現状だ。
家族はさらに付け加えた。「タルハは、彼の純真さと脆さを食い物にした人間たちに魅せられてしまったようです。もし報道が正しいのであれば、タルハはISの指導者と呼ばれる人間によって、死ぬように命令されたのです。あまりにも卑劣なやり方で、彼らは自分たちがやりたくない仕事をするようにタルハに命令したのです」と付け加えた。
「当然私たちはみんな、自分たちに襲いかかった言いようのない悲劇に打ちのめされています。胸が張り裂けそうです」
労働党のシャヒッド・マリク元下院議員は、この家族の友人でもある。彼は ITV ニュースに次のように語った。「彼が自爆テロを行う直前に撮影されたと言われているISの写真を見ると、彼の穏やかな表情に心がかき乱されます」
「彼は心穏やかな様子に見えます。まるで、自分の創造主に会いに行く準備ができているかのようです。この写真を見れば、邪悪なISの調教者たちが、どれだけ巧妙にタルハや彼のような子どもたちを洗脳しているか明らかです」
ウエスト・ヨークシャー警察は次のように述べた。「警察は、イギリス国籍の人間がイラクで死亡したという情報を報道で知った。死亡したと報道されている人物の身元は現在確認されていないので、これ以上コメントをすることはできない」
もしアスマルが自爆テロ攻撃を行ったという情報が正しいのであれば、アスマルは史上最年少のイギリス人自爆テロリストになる。
同じくウェスト・ヨークシャーの出身であったハシブ・フセインは2005年7月、19歳になる直前に、ロンドンのタヴィストック広場でバス爆発のテロを行った。彼はテロリストの実行犯の中で最年少だった。
この記事はハフポストUK版に掲載されたものを翻訳しました。
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