えっ、UFO? 珍しい「穴あき雲」の撮影に成功(画像)

「過冷却」と呼ばれる状態の雲で生じる雲「穴あき雲」。雲の中に大きな穴があいたような状態になるこのとても珍しい現象が、オーストラリアの街コランブッラで撮影された。

一面に広がった薄い雲を、巨人の拳が破って、空まで突き抜けたかのような不思議な光景。これは、オーストラリアの街、コランブッラで撮影された「穴あき雲」(fallstreak hole、cloud hole)の写真だ。

この現象は、「過冷却」と呼ばれる状態の雲で生じる。雲に含まれる水分の温度が氷点以下に下がりながら、氷の核となる微粒子が存在しないために、すぐには凍らない。

過冷却状態にある雲粒の一部で氷結が始まると、飽和水蒸気圧の差によって、周囲の水滴が蒸発し、氷晶が急速に成長する現象(ライミング)が起きる。そして、成長した氷晶は落下を始める。

こうして氷晶が落下した部分が、雲に開いた「大きな穴」になるわけだ。そこに虹がかかる場合もある。一般に目にする機会は少なく、UFOに間違えられることもあるとのことだ。

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オーストリアで撮影された穴あき雲。真ん中から、筋状の「尾流雲」が垂れ下がっている。画像はWikimedia Commons

同様の条件の雲に、ジェット機が通過するとき、その角度によっては細長い穴が開く場合もある。これは「運河雲」(canal cloud)と呼ばれるもので、ジェット機のエンジン排気に含まれる微粒子が氷晶核となって、細長い領域にライミングが発生することから生じるのだという。

「The Cloud Appreciation Society(雲を鑑賞する協会)」のウェブサイトでも、同種の現象の写真を紹介し、発生の理由を詳しく解説している。

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ニュージーランドで撮影された穴あき雲。画像はWikimedia Commons

文末スライドショーでは、さまざまな種類の美しい雲の写真を紹介している。

この記事はハフポストUK版に掲載されたものを翻訳しました。

[日本語版:水書健司、合原弘子/ガリレオ]

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