Facebookの最高情報セキュリティ責任者であるアレックス ステイモス氏は9月6日、2016年のアメリカ大統領選の際に、偽情報を流すアカウントからの、社会的分断を強めるような広告を掲載していたと発表した。
合計約10万ドル(約1100万円)に相当する約3000件の広告が、約470の「本物ではない」アカウントやページと関連していた。リンク先のアカウントやページは、ロシアで運営されていた可能性があるという。
Facebookは発表で、「広告のほとんどは、アメリカ大統領選や投票、特定の候補者に言及するものではなかった」とコメント。しかし、広告の内容については、LGBTや人種、移民、銃を保有する権利などの問題に触れていたと明かし、「社会的な分断をより強くすることに焦点を当てていたようだ」などと述べた。
ロイターによると、あるFacebookの社員がこの日、これらの広告のなかには、「トロール(荒し)工場」と呼ばれるロシアのサンクトペテルブルグに拠点を置くグループからの接続もあったと述べたという。
ABCニュースによると、トロール工場は、意図的に炎上する内容や挑発的なコメントを投稿することで、オンラインコミュニティなどを議論をコントロールし、反対意見を抑えようとするグループ。
ジャーナリストのアンドレイ・ソシュニコフ氏によると、トロール工場では数100人が交代で勤務しており、24時間体制で偽情報を量産しているという。
CNNによると米国議会の調査官に対しFacebookは、ロシアのトロール工場に政治広告の枠をを売っていたと報告したという。