マーク・ザッカーバーグ氏、Facebookのポリシーを点検すると表明。従業員からの批判に対応

より「透明性」を高めることを約束し「プロセスや経営陣の議論において多様性、インクルージョン、人権の表現を高めることにコミットしている」と述べた。
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Facebookのマーク・ザッカーバーグCEO
Engadget日本版

Facebookのマーク・ザッカーバーグCEOが、コンテンツに関するFacebookとしての方針を見直す考えを明らかにしました。

ここしばらく、Twitterがトランプ大統領による物議を醸す投稿に対し明確なポリシー適用を実行し、GoogleやSnapchatなども暴力的な投稿や報復的な大統領命令の発令に対する姿勢を表明しています。一方でザッカーバーグCEOは「Facebookが何が正しいかを決めるべきではない」と独自の考えを示し、具体的な対応策を打ち出しませんでしたが、それによって従業員からの反発を招き、会社を離れる人も現れる事態になっていました。

ザッカーバーグ氏は、より「透明性」を高めることを約束し「プロセスや経営陣の議論において多様性、インクルージョン、人権の表現を高めることにコミットしている」と述べ、Facebookにおける3つのポリシー分野を見直すとしました。3つのポリシー分野は「国家による武力行使の脅威」「新型コロナウイルスの流行のなかでの有権者の弾圧」「Facebookのポリシーに違反、部分的に違反するコンテンツへのラベル付け」と設定されます。

とくにラベル付けに関して、ザッカーバーグ氏は従業員宛のメッセージにおいて「私は従業員の皆さんの多くが、大統領の投稿にラベル付けをしなかったことを不満に思っていることを理解しています。現在のわれわれのポリシーでは、もし投稿内容が実際に暴力を扇動しているようなら、それを削除することになっています。もしそれが政治家やニュース性のあるものでも例外はありません」と述べました。

ただ、やはりポリシー違反だからと簡単に投稿にラベル付けするのには気が進まないようで「しかし、私はよりよい選択肢があると考える他の人々の考えも尊重したいと考えます」と続け「自分たちが好まない投稿を編集してしまう危険が懸念されるため、非常に慎重になる必要がある」と、安易なポリシー適用によるリスクを心配する様子を示しています。

とはいえ「より明確で透明性の高い意思決定プロセス」と「正しいグループや声が議論になることを確認するために、構造的に何かを変更する必要があるかどうかを見直す」必要があると述べ、現状のままではなく、よりコンテンツの中立性を高める意向を示しました。

そして、そのための対応策として現在Facebookに提供している「新型コロナウイルス感染症情報センター」のような形式で「有権者ハブ」の設置を約束し、さらにプロダクト開発チームの一部に、”人種的な正義”をプロモートするプロジェクトを推進するとしています。ただザッカーバーグ氏は、このプロジェクトが具体的にどのようなものになるかは詳述しませんでした。

ちなみに、Facebookの従業員構成における黒人やヒスパニック系は10%未満とされます。2019年にはFacebook社内における「黒人差別問題」が匿名でmediumに投稿され「私たちは多様性を重要だと考えています」「このような行動は受け入れられません」「より良いものにするために努力を重ねます」といった常套句が単なるリップサービスに過ぎないことを指摘していました。

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