牡蠣フライや牡蠣鍋が好き? それならマイクロプラスチックが含まれた製品は使わない方がよさそうだ。
マイクロプラスチックは小さなプラスチックの粒子で、一部の洗顔フォームや歯磨き粉に含まれている。
このマイクロプラスチックが、牡蠣の繁殖に深刻な影響を与えているという研究結果が学術誌「アメリカ科学アカデミー紀要」に掲載された。
マイクロプラスチックが自然に悪影響を与えることは、これまでの研究からもわかっている。しかし今回の報告は、生き物たちの生態系にまで影響を与えかねない可能性を示唆している。
しかも影響が現れるのは比較的早い。研究では、牡蠣をタンクに入れてマイクロプラスチックにさらし、影響を観察した。マイクロプラスチックにさらされた牡蠣とさらされなかった牡蠣を比較した結果、さらされた牡蠣は卵子が小さくなり、精子の動きも悪くなった。
また、2カ月間マイクロプラスチックにさらされると、生まれる子供の割合が41%減少し、成長も遅くなった。
なぜこういった影響がでるのかまだはっきりとはわかっていない。しかしマイクロプラスチックが牡蠣のホルモンに影響を与える、もしくは消化器系の働きを阻害して、食物を食べたり栄養を吸収したりするのを難しくする、などが可能性として考えられる。
洗顔フォームやはみがき粉などに含まれているマイクロプラスチック。今、世界中の海や湖で問題になっている。
マイクロプラスチックの反対運動に取り組む団体「ビート・ザ・マイクロビーズ」によると、マイクロプラスチックが海に流れ込む一番大きな原因は、洗顔フォームや歯磨き粉などが適切に処理されず、直接排水溝に流されることだ。
マイクロプラスチックの粒子は牡蠣が普段食べている植物プランクトンと同じくらいの大きさなので、間違ってマイクロプラスチックを食べているのではないかと科学者たちは考えている。
つまり牡蠣だけでなく、植物プランクトンを食べる他の生き物にとってもマイクロプラスチックは脅威となる。
牡蠣の現象で影響を受けるのは食卓だけではない。海の環境にも大きな影響が現れる可能性がある。
牡蠣を含む貝類は、海の環境を良くすることで知られる。海中の窒素を取り除き、水をきれいにして、多くの魚や甲殻類が快適に生息できる場所をつくっているのだ。
マイクロプラスチックの取り組みは、まだ始まったばかりだ。アメリカでは、2015年末にようやくマイクロプラスチックを廃止する法案が可決された。
ハフポストUS版に掲載された記事を翻訳しました。
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