F1ドライバーのダニエル・リカルドは、キャリアの中でこれまでにいくつもの過酷な競争に直面してきただろうが、それらもきっと今回の「8人のラガーマンとのスクラム対決」には及ばないだろう。2016年1月にF1マシンを雪山で走らせるスタントに挑戦したレッドブル・レーシングは、リカルドと2012年シーズンのF1マシン「RB8」を英国に送り込み、バース・ラグビークラブとのスクラム勝負を行った。
最高出力750hpを誇るRB8の対戦相手は、ケタ外れの腕力を持つバース・ラグビー・クラブの一軍選手だ。この「究極の人間とマシンの対決」は、郊外の美しい景色に囲まれた同クラブが所有する由緒あるトレーニング施設「Farleigh House(ファーリーハウス)」で行われた。特別に製作されたスクラム対決用マシンを挟み、リカルドとF1マシンは屈強な8人のラガーマンを相手に真っ向勝負に挑んでいる。
リカルドはまず、RB8のノーズ部分をマシンに慎重に接続し、アクセルを踏み込んでスクラムを組んだ選手たちを押し戻す。だが、両者とも全く譲らず、一進一退の攻防が続いた。レッドブルの公式サイト『RedBull.com』によれば、リカルドは当初、このスクラム対決に困惑気味だったという。
「最初はレッドブルが何をしたいのか、いま1つ理解できなかった。『どうやったら、そんなことができるんだ?』ってね」と語ったリカルドだが、すぐにコツを飲み込んだ。うなり声とタイヤの白煙、そして鋭いルノー製V8エンジンの咆哮を伴った決戦は、リカルドとバースの選手たちがしばし押し合ったのち、最終的に引き分けとなった。素晴らしい戦いの後、両者はフィールドでラグビーボールを投げ合って楽しんだという。
新たな友人となったバース・ラグビー・クラブの選手たちについて聞かれたリカルドは、「アスリートとして非常に尊敬している。彼らは大きくてパワフルで、激しいぶつかり合いから立ち上がる。それが勝負の醍醐味の1つだと分かっているんだ」と答えている。
By Jason Marker
翻訳:日本映像翻訳アカデミー
(2016年2月21日 Autoblog日本版「【ビデオ】F1マシンと名門ラグビー・クラブがスクラム対決!」より転載)
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