トヨタは先日、電気自動車(EV)の開発を担う"社内ベンチャー組織"の発足を発表し、EV業界に大きく攻め込む姿勢を明らかにした。水素燃料電池自動車の開発に取り組んできた同社からはここ数年間、EVに関しては口先だけの言葉ばかりを聞いてきた。
しかし、トヨタが発表したこの新たなEV部門を率いる人物を見ると、同社がついにプラグイン車の開発に本腰を入れる気になったことがわかる。なぜなら、その新リーダーが、トヨタ創業者である豊田喜一郎氏の孫、豊田章男氏だからだ。代表取締役副社長の加藤光久氏と寺師茂樹氏もこの新たなEV部門に関わるようだ。章男氏は、2009年よりトヨタ自動車の社長兼CEOを務めているため、トヨタがEVに本格参入するという方向性に、もはや疑問の余地はないだろう。何しろ、リーダーである社長が関わっているのだから。
エンジニアについては、プラグイン・ハイブリッド「プリウスPHV」の開発責任者、豊島浩二氏がこのEV部門を率いる予定だ。これに加え、水素燃料電池の分野での次なる大きな動きとして、トヨタは最近、セミトラック向けの大型燃料電池を開発する意向があると発表しており、大規模な戦略において様々な変化があることを示している。
トヨタの広報担当者は自動車メディア『Automotive News』に、「社長と副社長をEV部門の担当者にすることで、我々は電気自動車の開発におけるスピードアップが図れると期待しています。社長は同部門の運営を直接監視することができ、素早く、円滑に決断を下すことができます」と語った。トヨタがこのEV業界というハイウェイでライバルに追いつきたいなら、迅速な対応が必要となるだろう。
翻訳:日本映像翻訳アカデミー
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(2016年12月3日 AutoBlog日本版「トヨタ、今度こそ本気で電気自動車の開発に取り組む」より転載)