EUが対ロシア制裁強化で仮合意、来週も協議
[ブリュッセル 25日 ロイター] - 欧州連合(EU)は25日の大使級会合で、ウクライナ情勢をめぐりロシアに厳格な経済制裁を科すことで仮合意に達した。ただ、外交筋によると、詳細は今後詰める必要があるという。
EU大使は24日から続いた協議の末、執行機関である欧州委員会に対し、経済制裁発動に向けた法案の作成を要請した。
欧州委は、ロシアの国有銀行に対しEU市場での資金調達を阻止することや、ロシアへの武器禁輸措置、エネルギーなどに関する技術の輸出制限を提案している。
EU当局者は「概念については暫定的な全体合意がある」が、法案をめぐる大使級の協議が来週も続くと明らかにした。
ある外交筋によると、加盟国は法案の原案を週末に吟味し、週明けに欧州委に意見を伝える見通し。同筋によると、すでに締結された契約の扱いや、ロシアがウクライナをめぐる緊張緩和で建設的な役割を果たすようになった場合に制裁の規模をどのように縮小するかが引き続き問題となっている。
既存契約の扱いは、ロシアへのミストラル級強襲揚陸艦の売却を計画しているフランスにとっては影響が大きい問題。売却額は12億ユーロ(16億1000万ドル)とされている。
また、各加盟国にはそれぞれ得意とする分野があるため、制裁の痛手をどのように分かち合うかが難しい問題となっている。上級外交官は、「加盟国は多かれ少なかれ、国益を守ろうという姿勢に立ち戻っている」と述べた。
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