リオデジャネイロ・オリンピック最終日の8月21日、男子マラソンが行われ、エチオピア代表のフェイサ・リレサが銀メダルを獲得した。このリレサのゴールシーンが世界で注目されている。
リレサは高く掲げた両手でバツ印をつくりながらマラソン会場の最後の直線を走った。これは、母国エチオピア政府への無言の抗議だったのだ。
レース後、リレサは「エチオピア政府はオロモ族を虐殺して土地を奪っている。私の親戚は逮捕された。民主的な権利を訴えれば殺されるだろう。だから、彼らを守るために私は手を上げたんだ」とコメントした。
オロモ人はエチオピア最大の民族でありながら、反体制的とみなされ政府から不当な扱いを受けている。国際人権団体NGOのヒューマン・ライツ・ウォッチによれば、エチオピアでは2015年11月、抗議デモに参加していた民衆の約400人が治安部隊によって殺害され、数万人が逮捕されたという。
彼は母国に帰国した後、政府の弾圧を恐れている。銀メダルの受賞後、以下のように亡命も示唆した。
「オロモは私の部族だ……。オロモ族は今、平和のため、場所のため、正しいことのために抗議している。私はエチオピアに戻れば殺されるだろう。殺されなくても逮捕される。まだどうするか決めていないが、恐らく他の国に行くつもりだ」
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