合成麻薬MDMAなどを所持したとして、麻薬取締法違反の罪に問われた俳優の沢尻エリカ被告の初公判が1月31日に東京地裁で開かれた。検察側は、沢尻被告が19歳ごろから違法薬物を使用しており、「再犯の可能性が高い」として、懲役1年6カ月を求刑した。
黒いスーツ姿で法廷に現れた沢尻被告は、「多大なご迷惑をおかけしたと思っています」と話し、関係各所や家族、ファンに「申し訳なく思っています」と謝罪。
「薬物はいつでもやめられる、コントロールできていると思っていましたが、大きな間違いでした。薬物が繋いでくれた偽りの友情にとらわれ、抜け出すことができませんでした。心の底から後悔しています」と反省を口にした。
エイベックス役員「いつかまた彼女の作品を見てみたい」
証言台に立った主治医によると、沢尻被告はMDMAやLSDなど幻覚剤への依存は認められなかったものの、大麻に関しては「軽度の依存症」と診断されたという。
公判では、沢尻被告が所属するエイベックス・マネジメントの役員が記した陳述書も読み上げられた。芸能人が薬物関連で逮捕されると、事務所との契約が解除される場合が多いが、同社は契約を解除せず、「更生を支援する」としている。
陳述書では、「自身の立場を理解していない身勝手な行動と言わざるを得ません」と沢尻被告を叱責しつつ、「更生を支援するのが会社の責任です」と言及。
「個人的にはいつかまた彼女の作品を見てみたいと思っています。しかし、仕事は社会の支援や理解がないとできません」とし、「今は更生に向き合い、今後の道を探してほしい。当社としても、最善の道を選ぶように支援をしていきます」と表明した。
沢尻被告への被告人質問では、今後の芸能活動についても質問が及んだ。
弁護人から俳優業の復帰への意向を聞かれると、沢尻被告は「女優復帰は考えていません」と回答。その理由について「影響力のある立場の人間として、自らの身勝手な行為により多くの方を裏切り、傷つけてしまいました。復帰を語る資格はないと思っています」と話した。
今後はどうするのかと問われると、「現段階では決められてはいませんが、家族とともに何か一緒に考えていきたいと思います」と答えた。
弁護側は執行猶予を求め、結審。判決は2月6日に言い渡される。