エノラ・ゲイの飛行記録が約882万円で落札 第二次世界大戦の関連資料が競売に

アメリカ時間の5日(日本時間6日)、英・競売会社ボナムスは、第二次世界大戦の関連資料をニューヨークで競売にかけた。
|

アメリカ時間の5日(日本時間6日)、英・競売会社ボナムスは、第二次世界大戦の関連資料をニューヨークで競売にかけた。連合国軍のノルマンディー上陸作戦のD-DAY(決行日)から70周年を迎えるにあたり、過去に起きた歴史的な出来事を記憶に留めて欲しいと開催。写真や軍服、航空機や戦艦の模型など軍需品353点が出品された。

広島に原爆を投下した爆撃機エノラ・ゲイのポール・ティベッツ元機長が8月6日に記させた飛行記録は、アメリカ人の収集家が8万6500ドル(約882万円)で落札した。この飛行記録は、同社がティベッツ元機長の家族と5年がかりで交渉し、競売が実現した。

また、広島に原爆を投下した直後にトルーマン米大統領が出したサイン付きの声明書は、7万2100ドル(約735万円)の高値がついた。

この競売では、陸軍の写真家・故山端庸介氏が原爆投下の翌日、長崎に入って撮影した写真24枚も出品された。故山端氏の写真が米国内で競売にかけられたのは、初めて。一旦、1万5000ドル(約153万円)で落札されたが、出品者の希望価格を下回っていたため後に競売不成立となった。同様に、AP通信の写真家ジョー・ローゼンタールのサイン付き報道写真「硫黄島の星条旗」も会場で4万5000ドル(約459万円)で落札されたが、同じ理由で競売が成立しなかった。

今回、合計約300人のアートコレクターや美術館職員が会場やインターネット、電話で競売に参加。全体の7割を占める250点が売られ、総額は、130万ドル(1億3000万円)に上った。(前田真里、写真も)

(長崎の写真アルバム:Image copyright Shogo Yamahata, provided courtesy of Bonhams)