片山祐輔被告に懲役8年 PC遠隔操作「サイバー犯罪の中でも悪質」

他人のパソコン(PC)を遠隔操作し、インターネット上で無差別殺人などの犯罪を予告したとして、威力業務妨害などの罪に問われた元IT会社員、片山祐輔被告(32)の判決が4日、東京地裁であった。
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時事通信社

PC遠隔操作、被告に懲役8年 「悪質なサイバー犯罪」

他人のパソコン(PC)を遠隔操作し、インターネット上で無差別殺人などの犯罪を予告したとして、威力業務妨害などの罪に問われた元IT会社員、片山祐輔被告(32)の判決が4日、東京地裁であった。大野勝則裁判長は「見ず知らずの第三者を犯人に仕立て上げるなど、サイバー犯罪の中でも悪質な犯行だ」として、懲役8年(求刑懲役10年)を言い渡した。

一連の事件では4人が誤認逮捕され、サイバー犯罪の捜査が見直されるきっかけとなった。片山被告は2013年に逮捕されてから一貫して無罪を主張していたが、保釈中の昨年5月に真犯人を装った自作自演のメールを送信したことが発覚。一転してすべての罪を認めていた。

片山被告の起訴内容は、12年6月から9月、遠隔操作ウイルスを他人のPCに感染させるなどの方法で、旅客機の爆破や幼稚園の襲撃など計9回の犯罪予告をインターネットの掲示板やサイトなどに書き込んだとするもの。東京、神奈川、三重、大阪の4都府県の警察が無実の男性計4人を誤認逮捕した。片山被告は威力業務妨害のほか、ハイジャック防止法違反などの罪でも起訴された。

判決は、片山被告について「腕試しをしたいと考え、国家権力に対する個人的な恨みから犯行に及んだ」と指摘。犯行後に犯行声明メールを送ったことについては「捜査機関に対する優越感を得るために世間を騒がせようとした」とした。自作自演メールの送信は「保釈中に行われたものとしては類を見ない悪質な証拠隠滅行為だ」と厳しく批判。「進退窮まり、もはや言い逃れできないと観念して罪を認めた」とした。

検察側は論告で、「サイバー犯罪史上まれに見る卑劣な犯行。第三者を身代わりとして犯人に仕立て上げ、あらゆる手段で罪を免れようとした」と非難。弁護側は、「正しい捜査をすれば誤認逮捕は防げた。被告は内省を深めている」として寛大な判決を求めていた。(石川瀬里)

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〈パソコン遠隔操作事件〉 2012年6~9月、無差別殺人や爆破の予告が自治体や幼稚園にメールで送信されるなどし、警察が4人を誤認逮捕した。同年10月、「真犯人」を名乗る犯行声明メールが報道機関などに送られ、誤認逮捕が判明。警察庁長官が謝罪した。警察は13年2月、片山祐輔被告を威力業務妨害容疑で逮捕した。

(朝日新聞デジタル 2015/02/04 11:39)

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