「エンケン」の愛称で知られるシンガーソングライターの遠藤賢司が10月25日早朝、がんのため都内の病院で亡くなった。70歳だった。遠藤賢司の公式Facebookページで発表された。
■魂のシンガー、その歴史を振り返る
遠藤は1947年茨城県勝田市(現ひたちなか市)生まれ。69年にシングル「ほんとだよ/猫が眠ってる」でデビュー。72年には三島由紀夫の割腹自殺について歌った「カレーライス」がヒットした。
78年にはセックス・ピストルズなどのパンク・ムーブメントに触発された『東京ワッショイ』を発表。ライブの定番曲となった「不滅の男」などが収録され、フォークという枠にとどまらず、ロック、パンク、テクノなどのさまざまなジャンルを融合させた独自のサウンドと世界観を築き上げた。また、長嶺高文監督の映画『ヘリウッド』に主演するなど、音楽以外のシーンでも活躍した。
80年代はライブ中心の活動だったが、1991年にインディーズレーベルからライブ盤『不滅の男 遠藤賢司バンド大実況録音盤』を発表。プロレスラーに転向した元横綱、輪島大士に捧げた25分超の大作「輪島の瞳」が収録されている。また同年、60cm四方の超特大ジャケットのマキシシングル「史上最長寿のロックンローラー」を発表し、話題を呼んだ。
1996年には16年ぶりのフルアルバム『夢よ叫べ』を発表。元ジャックスのボーカリストで、長い活動休止期間から音楽シーンに復活した早川義夫へのメッセージソングとみられる「俺は勝つ」が収録されている。
2017年6月11日、スタッフが公式ブログとFacebookページを通じて「今年3月頭に癌であることが解り、4月から短期入院も経て治療中です」と公表していた。