熊本県菊池市の「菊池エミュー観光牧場」から10月7日朝、大型の鳥類エミュー約20羽が逃げ出した。菊池市や警察が、住民に近寄らないように呼び掛けていると熊本日日新聞などが報じた。エミューとはどんな鳥なのだろうか。
■飛べないけど、時速50kmで走ることが可能
東京ズーネットによると、エミューの体の高さは約190cmで、体重は35〜50kg。鳥類の中ではダチョウに次いで体が大きいという。オーストラリア大陸全土の、主に草原やサバンナなどの開けたところに生息している。飛ぶことはできないが足は強く、時速50kmほどの速さで走ることができる。草や果実、花などのほか、昆虫も食べるという。
オーストラリアの開拓が進む中で、穀物や家畜に害を与えるという理由で駆除に報奨金が払われていた時代もあった。1932年には軍隊が出動する大規模駆除作戦「エミュー戦争」が実施されたことも。現在では保護区が設けられている。
■次世代の畜産商品として注目も
エミューは次世代の畜産商品としても注目を集めている。
北海道網走市でエミューの飼育研究をしている「東京農大発株式会社バイオインダストリー」によると、肉は高蛋白、低カロリーで、豚肉の約4倍の鉄分を含んでいる。卵白に特徴があり、独特の弾力性があり、同社ではエミューの卵を使った「笑友(エミュー)生どら焼き」が人気商品になっている。
さらにエミューの脂肪から取れるオイルは、スキンケア商品や医薬部外品としての大きな産業になりうる可能性を持っているとしている。
【UPDATE】NHKニュースによると牧場関係者らの捜索の結果、逃走していたエミュー20羽の捕獲が10月10日までに完了した。(10/10 17:07)