天皇陛下が退位し、皇太子さまが新天皇に即位した後、皇位継承順位第1位となる秋篠宮さまの呼称について、政府の有識者会議が「秋篠宮皇嗣(こうし)殿下」とする案を検討していることが4月13日、明らかになった。
検討しているのは「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」(座長=今井敬・経団連名誉会長)。この日、首相官邸の公式サイトで、4月4、6両日に開かれた会議の議事概要が公表された。6日の議事概要によると、秋篠宮さまの呼称について会議のメンバーが「『秋篠宮皇嗣殿下』などとお呼びすることはあり得るのか」と質問すると、宮内庁の出席者は「秋篠宮皇嗣殿下、皇嗣秋篠宮殿下、あるいは皇嗣殿下という呼称は十分可能である」と説明した。
「皇嗣」は皇位継承順位の第1位にある者を意味するとされる。一方、「皇太子」は、皇室典範で皇位継承順位1位にある天皇の子と定められており、いまの皇太子さまのお子さまではない秋篠宮さまの呼称をどうするかについて会議のメンバーらは慎重に検討していた。皇嗣という言葉の知名度が高くないことから、「『皇嗣』というものの意味を今後国民にきちんと説明していくことが重要」「秋篠宮殿下が皇位継承順位第1位であるというふうに分かるようにした方が良い」などの意見も出た。
有識者会議は、天皇陛下が2016年、生前退位の意向をにじませたお気持ちを表明した後、政府が設置。昨年10月に初会合が開かれ、退位によって必要とされる制度などについて議論してきた。会議は近く最終提言をとりまとめるとみられる。政府はそれをもとに関連法の改正案を国会に提出する方針だ。