「男優賞」「女優賞」という性別の壁を取り払った、初めての演技賞「最優秀俳優賞」の映画部門をエマ・ワトソンが授賞した。
ワトソンが、最優秀俳優賞を授賞したのは、5月7日(日)にカリフォルニア州ロサンゼルスで開催された「MTV Movie & TV Awards」。映画『美女と野獣』のベル役で選ばれた。
MTVは授賞式に先駆けた4月に、賞を性別でわけるのではなく、「最優秀男優賞」と「最優秀女優賞」をあわせて「最優秀俳優賞」にすると発表した。
初の最優秀俳優賞・映画部門をワトソンに手渡したのは、俳優のエイジア・ケイト・ディロン。
ディロンは、テレビドラマシリーズ『ビリオンズ』で性別を選ばないキャラクター、テイラー・メイソンを演じている。また、私生活でも性別を選んでいないことを公言している。
ビリオンズでの演技が高く評価されているディロンは、エミー賞にノミネートされるという話を聞いた時、賞を主催するアメリカテレビ芸術科学アカデミーに「『男優部門』『女優部門』どちらかを選ばなければいけないのか」と聞いた。そして、アカデミーから「ノミネートは好きなカテゴリーを選べる」と返事を受け取ったことが、話題になっていた。
エマ・ワトソン(左)に賞を渡したエイジア・ケイト・ディロン(KEVIN MAZUR VIA GETTY IMAGES)
ディロンから賞を受け取ったワトソンは、スピーチで愛と感謝を伝えた。
「まず最初にこの賞に触れさせてください。歴史上初めてとなる、性別でわけない演技賞。賞を性別でわけないということは、私たちがどう生きるか、という考え方に影響を与えます。
MTVが性別を区別しない賞をつくったことは、私たちひとりひとりにそれぞれ違う意味があるでしょう。私は「演技とは、他の人の立場に立つことを可能してくれるもの。2つのカテゴリーにわける必要はない」と教えてもらいました。
誰かの気持ちを理解したり、想像力を駆使したりすることに制限はありません。この賞を受賞し、そしてそれをエイジア、あなたから受け取れたことは、本当に大きな意味があります。こんなにもインクルーシブで、辛抱強く、愛にあふれる方法で、私を導いてくれてありがとう。感謝します」
最優秀俳優賞のテレビ番組部門は、「ストレンジャー・シングス」でイレブンを演じるミリー・ボビー・ブラウンが授賞した。
エマ・ワトソン(左)とミリー・ボビー・ブラウン(KEVIN MAZUR VIA GETTY IMAGES)
1カ月前に、賞から性別の垣根を失くすと発表したMTV。社長のクリス・マッカーシーは「世の中が求めていることに常に答えようとするだけではなく、引っ張っていこうという姿勢が大事だ」とCNNに話している。
ハフポストUS版に掲載された記事を翻訳・編集しました。
▼エマ・ワトソンが国際女性デーに語った言葉(画像集)▼
※画像集が表示されない場合は→こちら。