こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。
今日は日中打ち合わせでバタバタしており事務作業が進まず、よし家に帰ってやろう!
→娘が発熱して何もできず→今に至る(23時30分)。うーん、泣きたい。
民主 「被選挙権年齢」も引き下げを
昨日も成人式に関連して若者の政治参加について取り上げたところですが、
民主党が「被選挙年齢の引き下げ」にも言及したことが話題となっており、
News Picsのコメント欄が非常に賑やかになっています。
日本では選挙権は18歳からとなったものの、
被選挙権でいうと
衆議院議員:25歳
参議院議員:30歳
都道府県知事:30歳
区市町村長:25歳
各種地方議員:25歳
となっています。
なぜかと聞かれれば、公職選挙法でそのように定まっているからなのですが、
ではこれって一体どうやって決まったのでしょうか?
歴史的に見ると衆議院選挙は明治22年に選挙権25歳・被選挙権30歳でスタートし、
昭和20年(1945年)に婦人参政権が認められるとともに、
選挙権20歳・被選挙権25歳という近代の形が完成しました。
これを受けて戦後に成立した参議院選挙の方は、
昭和22年に被選挙権を30歳としてスタートしています。
主な学説では参議院は「良識の府」であり、
大衆の代表である衆議院よりも完成された人格が必要とされることから、
衆議院よりも高い年齢設定が課された...とされているようです。
ちなみに都道府県知事が公選制となったのも戦後のことで、
昭和22年が第一回と参議院選挙と同時期です。なので都道府県知事の被選挙権が
30歳という設定なのは、この参議院の基準に引っ張られたと言えるでしょう。
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端的に言えば現状は大戦直後につくられた昭和の慣習を、
70年近くも盲目的に引きずって使っているだけとも考えられます。
では海外スタンダードはどうなっているんだろう...
と思ってインターネットを叩くと、非常にわかりやすくまとまっている記事がありました。
日本の若者を「遅らせる」3つの年齢「投票権・成人・被選挙権」- 世界の潮流は?
・被選挙権年齢21歳が世界的にみて最も多数派の年齢であり、59カ国(約30%)が制定
・続いて25歳が57カ国(約29%))で、18歳に定めているのは45カ国(約23%)である
・つまり、21歳の時点で被選挙権が得られる国は世界で108カ国(約55%)
ということで、日本のように30歳まで出れない選挙が存在するのは、
世界的に見れば少数派(20%以下)と言えそうです。
なんでもかんでも世界に合わせれば良いわけではないのは当然ですが、
世界最速のスピードで少子高齢化が進むわが国でこのような制度を保つことは、
ますます若者たちを「置き去りにする」可能性が極めて高いと言えます。
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民主党が単独で被選挙権年齢の引き上げを提唱してきたことは、
本来であれば超党派で取り組む流れに逆らうスタンドプレイのようですが、
とにかく18歳選挙権の勢いでこうした議論が加速するのは前向きな傾向だと思います。
加えて被選挙権を下げるにあたっては、
国選選挙・首長選挙では最低300万が必要となる
悪名高き「供託金」の引き下げも合わせて検討されるべきです。
18歳や20代そこそこの若者に、300万円ものお金を用意するのは至難の技。
こうした歪な参入障壁は、ますます職業政治家や世襲政治家を増やすことになります。
私が個人的に面白いと思っているのは、
供託金に世代別で傾斜配分をかける方法で、
10代:30万
20代:50万
30代:100万
40代:150万
50代:200万
60代以上:300万
として若年層に有利な形でハードルを下げていけば、
国会議員の若返りを促進する一手になる気がします。
もちろん供託金を下げると「泡沫候補が増える」などのリスクもあるんですけど、
現時点の設定でも完全に排除はできないわけで、NHKの政見放送とか取りやめにして
全部ネット配信にすればコストもかからないし、愉快犯も減るんじゃないですかね。
選挙制度というのは、国の政治を形作る根幹です。
ここが変われば、一気に政治が変わっていきます。
未曾有の少子高齢化に突入するわが国は、選挙制度のモデル・チェンジがひつよう不可欠です。
18歳選挙権に留まらず、今国会で被選挙権年齢引き下げ議論がどこまで高まるか、
引き続き注目し、世論での後押しに尽力していきたいと思います。
それでは、また明日。
(2016年1月12日「おときた駿公式ブログ」より転載)