妊婦を含む6人が乗るエレベーター、95階から落下。奇跡的に助かる。「死ぬかと思った」

さながらタワー・オブ・テラー…
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The John Hancock Center
Getty Editorial

アメリカ・シカゴの超高層ビルで、11月16日、身の毛のよだつ事故が起きた。

95階のエレベーターに乗り込んだ瞬間、支えていたケーブルが切れ、急降下したのだ。

事故が起きたのは、ジョン・ハンコック・センター。100階建てで、1969年の完成当時はシカゴで最も高く、最も美しい夜景が見られるビルとして有名だった。

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ジョン・ハンコックセンターの展望台から見えるシカゴの街並み
Mondadori Portfolio via Getty Images

ワシントンポストによると、事故当時、この中には妊婦を含む6人が乗っていた。ケーブルの切れたエレベーターは、84階分のフロアをすっ飛ばし、11階付近で止まったという。

急に異音、粉塵...「死ぬかと思った」

メキシコシティから夫婦で旅行に来ていた男性(50)は、CBSシカゴに対し「これは、死ぬだろうと思った」と言い、妻(49)も「止まるまでの時間はとても長く感じた」と恐怖を語った。

6人の客たちは95階のレストランを出て、エレベーターに乗り込んだ瞬間、異様な速さで降下していることに気が付いた。乗客はこの夫妻のほか、学生や妊娠中の女性もいた。

飛行機のフライトの時のように揺れ始め、「カラッカラッカラッ...」という異音とともに粉塵がエレベーター内に入り込んできたという。

ABC系列のテレビ局WCVBによると、エレベーターを保持していたケーブルの1本が切れてしまい、落下につながったという。

急速な落下の後、エレベーターは11階と12階の間で止まった。ワシントンポストによると、ほかのケーブルがかろうじてついていたことで、エレベータ―は床に落ちずにすんだようだ。

シカゴ消防本部が駆けつけ、駐車場から地上10階よりも上の壁に穴をあけて、乗客の様子を確認。

シカゴ消防本部の広報担当者は「これ以上何かがあっても落ちないように、支えを設置したあと、エレベーターに小さな梯子を置きました」と説明。初めに消防士が確認のために梯子を下り、乗客を補助し、全員が無事救助された。

このエレベーターは、今年7月の直近の検査で異常は見当たらなかったという。事故のあった機とほかの2機は、修理と点検調査が終了するまで閉鎖される。