ジャポニウムとは? 113番の新元素、理研に命名権か 米ロチームの発見とどう違うの?

海外の研究チームのほうが発見が早かったが、理研が有力との見通しだ。
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元素番号113番の新元素は、「ジャポニウム」という名前が有力だ――。

理化学研究所が発見したと主張している原子番号113番の元素が、新元素と国際的に認定される見通しとなった。この元素をめぐっては、理研と海外勢が命名優先権をめぐって競っているが、国際学術機関が来年1月にも決定し、発見者としての理研の主張を受け入れ、命名権を与える見込みだ。海外の研究チームのほうが発見が早かったが、理研の方がデータの確実性が高く、理研の命名権獲得を有力とする見方が強いという。12月26日、共同通信などが報じた。

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元素は発見後、その存在が確定すると発見者に命名権が与えられる。確定されるためには、発見者は新元素の合成を、証明する必要があり、現在113番元素は、仮に「ウンウントリウム」との名前で呼ばれている

113番元素をめぐっては、2003年にロシアのドゥブナ合同原子核研究所とアメリカのローレンス・リバモア国立研究所による合同研究チームが初めて発見を主張したが、確定までには至らなかった。理研も2004年、2005年の2回、原子を合成させているが、データ数が少ないことなどを理由に認定されなかった。

以降、海外チームとの競争が続いていたが、理研は2012年9月、3回目となる合成を確認したと発表。森田浩介博士らが原子番号30番の「亜鉛」の原子核を加速器で加速させ、原子番号83番の「ビスマス」に衝突させて人工的に作り出した

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113番元素合成に成功し、今後は119番、120番元素合成に挑戦する理化学研究所の森田浩介准主任研究員=2012年09月26日、埼玉県和光市の理化学研究所

この時の様子を、理研の研究グループの森田さんは、次のように解説していた。

「2011年、ロシアが114番と116番の命名権を獲得したんですが、"確定ではないがほぼ間違いないだろう"という、いわば90点での授与。

 

そして今回の113番は、言ってみれば僕たちは100点満点が1個、片やロシアは90点が5個という状態なんです。以前なら100点一発が、でも前例からロシアがないとは言い切れない。そんな状況ですね」

 

アジア初の快挙となる新元素、『ジャポニウム』誕生なるか!? - Linkclub Newsletter(リンククラブ・ニューズレター)より 2013年)

理研による発見が認められれば、周期表に日本発の名前を初めて書き加えられることになる。理研では新元素名として、ジャパニウム、ワコニウム、ニシナニウムなどの元素名案が挙がっていたが、産経ニュースはジャポニウムが有力とみられると伝えた。

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