オート三輪が電気自動車で復活 19年ぶりの国産自動車メーカー「日本エレクトライク」

川崎市のベンチャー企業、日本エレクトライクが電気駆動の三輪自動車が、国土交通省の型式認定を受けて量産できるようになったことを受けて、6月15日に川崎市役所で正式発表された。
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戦後復興期の日本で一世を風靡した「オート三輪」が、21世紀に復活した。

川崎市のベンチャー企業、日本エレクトライクは6月15日、川崎市役所で電気駆動の三輪自動車を発表した。国土交通省の型式(かたしき)認定を受けたことで量産できるようになった。新規参入メーカーが型式認定を受けたのは、1996年の光岡自動車(富山市)以来の19年ぶりとなる。時事ドットコムなどが報じた。

■「街中を走る電気自動車のマーケットを狙う」

NHKニュースによると、この電気自動車「エレクトライク」は1人乗り。インドのバイク大手・バジャージ社から車体の供給を受けて、国内で電気駆動に改造したものだ。

小回りが利き、150kgの荷物が積める荷台がついている。最高時速は50kmで、1回の充電で走れる距離は、30kmと60kmの2つのタイプがあり、家庭用コンセントで充電できる。

以前のオート三輪はカーブの際、車体が不安定な状態となり、転倒しやすいという欠点があった。「エレクトライク」ではハンドル操作をセンサーで判定し、左右車輪の回転数を別々に制御することで解決した。主に宅配などで使う業務用の車両として販売される。2015年度の販売目標は100台、2016年度には200台だ。

国からの補助金を利用すると1台100万円から130万円で購入可能。普通自動車免許で運転できるという。日本エレクトライクの松波登社長は「長距離ではなく、まちの中を走るという電気自動車に合ったマーケットをねらいたい」と自信を見せた

川崎市の福田紀彦市長もエレクトライクで市庁舎前の駐車場を3周ドライブ。試乗後、「すごく安定性が高い、乗り心地快適。素晴らしい車」と太鼓判を押したという。

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日本エレクトライクの電気三輪自動車と松波登社長=神奈川県川崎市(2015年03月31日)

■オート三輪とは

コトバンクによるとオート三輪は、「1輪で方向を決め、後ろの2輪で駆動する自動車」の総称。小回りが利き、悪路にも向くトラックとして、1920年代以降、日本で独自に発達・普及したが、1960年以降は軽トラックなどに置き換えられ、1974年に生産が中止された。代表的な車種に、ダイハツのミゼットやマツダのK360などがある。

NHKニュースによると、自動車レースのラリードライバーだった松波社長はかつて日本中を走っていたオート三輪を復活させて環境に優しい車を作ろうと、東海大学と共同で三輪の電気自動車の研究を開始。2008年に「日本エレクトライク」を設立して、川崎市の協力のもと実証実験を続けてきたという。

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