激しい選挙戦を振り返って

与党の圧勝を許した最大の敗因は、野党勢力の結集が中途半端に終わり、国民に明確な選択肢を示せなかったことです。
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第47回衆議院総選挙は、またしても与党の圧勝に終わりました。私自身も過去2回守ってきた小選挙区の議席を失いました。それでも、2年前に続き民主党に逆風が吹き荒れる中、82351人の方々からご支持を頂戴したことは大きな励みとなり、お陰さまで東京選挙区の比例第一位で5期目の当選を果たすことができました。今後は、この8万余の皆さまの思いを胸に刻み、国政に全力投球して参ることはもとより、自公政権に対抗し得る新たな政権の受け皿となる健全な野党改革勢力の再結集に力を注いで参ります。

与党の圧勝を許した最大の敗因は、野党勢力の結集が中途半端に終わり、国民に明確な選択肢を示せなかったことです。与党は衆院の2/3を超す326議席を獲得しましたが、およそ1億人に上る有権者のうち投票したのは52%ていどに止まり、そのうち与党候補への投票は約4割で、安倍政権への積極的支持は実質17%しかありませんでした。それ以外の国民の約8割に対して、私たちは政策的にも期待値という点でも現実的な選択肢を示せなかったのです。選挙直前になって泥縄式に選挙区調整に奔走しましたが、その行動がこの国の将来を切り拓くというより選挙目当てだったことは有権者から鋭く見透かされてしまったのです。

この痛切な反省の上に立って、次のステップを展望せねばなりません。目的ははっきりしています。安倍政権と堂々と政策で勝負できる改革勢力の再結集を図ること、そして、一日も早く自公政権に代わる政権の受け皿をつくり上げることです。そのためにも、第一に民主党の解党的出直しが急務です。まったく新しいリーダーの下に、政策と党内ガヴァナンスを再構築し、他の野党改革勢力へ結集を呼びかける。その際、忘れてならないのは、「民主党」という党名や存在そのものに価値があるのではなく、政権交代可能な政治勢力をつくり上げるという民主党が目指した理念に価値があるということです。

その意味では、野党再編のためなら、党名も含めてすべて一新することを厭うべきでないと考えます。野党といっても、反対のための反対を繰り返す無責任野党では話になりません。経済政策でもエネルギー問題でも集団的自衛権でも社会保障制度の効率化でも規制改革でも、業界団体を中心とした自公政権では光の当たらない多様な民意を吸い上げ、現実的な選択肢を提示しつつ、政府与党との間で建設的な議論を深め、我が国にとってよりよい社会の構築や将来世代への責任を果たす、そういう健全な野党改革勢力の中核となるべきです。

いずれにせよ、来年1月26日召集(予定)の通常国会に先立つ民主党代表選挙(1月7日告示、18日の臨時党大会にて投開票)では、党内グループを相手にした安手のチャンバラ劇ではなく、候補者は国民の心に届くような日本の将来ヴィジョンやそれを実現するための具体的な政策、さらには結党以来の課題である党内ガヴァナンスのあり方につて、思い切った大砲を撃ち合うような骨太の論争を期待したいと思います。私自身は、国軸の会の仲間や初当選以来の盟友でもある馬淵澄夫代議士と共に、新しい時代にふさわしい清新なリーダーとして、細野豪志代議士(43歳)を支援してまいります。皆さん、どうぞ宜しくお願いします。

衆議院議員 長島昭久拝