橋下徹大阪市長は12日の登庁時のぶら下がり会見で、7月3日にNHKで生放送された党首討論を「最〜悪ですね。」と批判した。
この記者会見は日本記者クラブの主催で行われた。第1部と第2部に分けられ、第1部では候補者同士の討論(約50分)、第2部では、日本記者クラブの委員4人がよる代表質問(約65分)を行った。橋下氏はこの第2部の方を批判している
「選挙運動を見ていると、お粗末というか、貧相というか。僕はこれはメディアの責任だと思いますけどね。
7月3日の党首討論会なんか最悪。NHKが2時間生放送でやっていたけれども。記者クラブでしょ?最悪です。形式的な公平性だけを整えた形だけになっているんですけれど、質問者が安倍首相だけに質問するなら僕ら外させればいいわけで。なんであんな形式が通るのかよくわかんないっすね。
(安倍首相に質問が集中していたことに)それだったら、テレビで生放送する必要はないですからね。単純な質問だけであれば、党首を並べて安倍首相だけに質問するなんてしなくてもいいじゃないですか。
(公平に時間を配分して質問するほうが良いのかとの質問に)そうすべきなのではないか。あの討論会を聞いている国民のみなさんが何か選挙のために資する情報を与えられたかというと、そうじゃないじゃないですか。
1部の方はあういう形式で僕ら自身がのほうが安倍首相に質問を飛ばしたというのであれば、これは自分たちの判断だからしかたがないと思いますけれど、2部の方のあの記者会見は酷いでしょう。それだったら、個別に各テーマで聞くとか、安倍首相に質問したことを必ず他の党首に「この件はどうなんだ」と聞くとかやらないと、公平性もなにも、国民のみなさんは安倍さんの意見を聞くだけで終わり。テレビというのは、より公平性中立性というのを保たなければいけないという中で、形式性だけを重んじるNHKならではだなあと思いましたけれどもね。
まあ、選挙運動を実質的にするかどうかというのは、メディアの方の責任であって、クレームが来ないように形式性だけを重んじているんじゃないですか。波風立てないように、批判が出ないように、役所的な発想をそのままメディアがやっているから、選挙運動なんて実質的なものにならないでしょうね。」
(YouTube「【2013.07.12】 橋下徹 大阪市長 登庁時 ぶらさがり取材」より。 2013/07/12)
記者クラブでも事前に、一部の党に質問が偏ることをわかっていたようだ。第2分の冒頭で、下記のようにアナウンスしている。
「1部では各党首公平に時間配分をしましたけれども、こちら(第2部)ではある程度ニュース性を重視して質問させて頂きます。同じ回数の質問がみなさんに行くとは限りませんが、よろしくお願い致します。」
(YouTube「党首討論会 第二部 2013.7.3」より。)
第2部で、ニュース性を重視しての質問に偏るのは、これまでも行われてきているが、今回の党首討論については各紙、安倍氏に質問が集中したと報じている。
各党首や記者の質問も自民、公明の連立与党勝利を前提に安倍晋三首相に集中し、さながら首相の独演会か参院選後を先取りした所信聴取のようだった。
(産経ニュース「目立ったのは小沢氏の抗議だけ…党首討論会、さながら首相の独演会」より。2013/07/04 08:55)
一方、党首討論会では、日本共産党など4党はほとんど無視。討論会の最後になって「読売」の橋本氏が「第2部で発言の機会が少なかった4党に二、三十秒ずつ、これを言わないと死んでも死に切れないことを最後にお話を」と笑いながら述べました。
(しんぶん赤旗『「大宰相」ともてはやす異常 参院選の争点質問しない記者とは!?』より。2013/07/04)
党首討論はこのNHKの生放送だけでなく、民放各局でも行われているが、党首討論会のあり方にについて、様々な意見が上がっている。
党首討論のあり方は今のままで良いのだろうか。改善できるとしたらどのようなものが考えられるだろうか。みなさんのご意見をお寄せ下さい。
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