候補者ら20人が立つ激戦区となった参院選、東京選挙区(改選数5)では、自民現職の丸川珠代氏、公明現職の山口那津男氏、共産新人の吉良佳子氏、無所属新人の山本太郎氏、そして、自民現職の武見敬三氏が当選した。都議選での惨敗を受け、公認2人の共倒れを恐れた民主党は党本部は、公示2日前に大河原雅子氏の公認を取り消して鈴木寛氏に一本化したが、議席を獲得することができなかった。開票から当選確定まで、投開票状況の推移を下記に紹介する。
元テレビ朝日アナウンサーで自民現職の丸川氏は、21日午後8時過ぎに当選確実が報じられた。朝日新聞デジタルによると「社会保障の再構築は経済の立て直しと車の両輪のように進める。若年者が重い社会保険料の負担を強いられているので、抑える方法を議論していく」と報道陣に抱負を語ったという。
(写真)Tamayo Marukawa, a candidate of the ruling Liberal Democratic Party (LDP) in Tokyo constituency, dots the eyes of Dharma doll after winning in the upper house election at her campaign office in Tokyo on July 21, 2013. Voters gave Prime Minister Shinzo Abe a resounding victory in upper house elections Sunday, exit polls showed, likely ushering in a new period of stability for politically volatile Japan. AFP PHOTO/Toru YAMANAKA
山口公明党代表の当確も、丸川氏と同時期頃に当確が報じられた。山口氏は22時頃に党本部で記者会見し、下記のように話した。
(写真)記者の質問に答える公明党の山口那津男代表=21日夜、東京都新宿区(時事通信社)
有権者のみなさまは安定を望んだ。ねじれ解消をいかし、優先度の高い政策から取り組んでいく。まず経済再生、そして被災地の復興スピードアップをしていきたい。
(自民党とどう連携していくのか?)
国民の声が分かれる課題については、公明党の持ち味をだして新しい合意をつくっていく。きちんと議論して新しい合意がつくられるのが国民が安心するプロセスだと思う。
(消費税率について。先送りはあるか?)
あげるのが原則。経済のいろいろな指標をみて最終的な判断をする。総合判断することになる。そのうえで、消費税が景気に抑制的な影響があるので、それをのりこえる経済成長を確かめる必要がある。
共産新人の吉良佳子氏の当確も21日20時頃報じられた。共産党が東京選挙区で議席を獲得するのは2001年以来12年ぶりとなった。
(写真)当選確実となり喜ぶ共産党の吉良佳子氏=21日夜、東京都渋谷区(時事通信社)
吉良氏はツイッターで下記のようにつぶやき、当選の喜びを発信した。
次に当確が報じられたのは、山本太郎氏。21日の21時過ぎの事だった。山本氏は政党の推薦を断り、「市民の力だけで勝つ」と無所属で望んだ。
山本氏は選挙事務所での記者会見で次のように話した。
率直な気持ちとしてはこのままうかれるわけにはいかないスタートラインにたった。
食品の安全基準、これを変えること。これをまずやりたい。1キロあたり100ベクレル。国民全員が低線量被曝しろということ。 生産者に賠償、保障しろと言うのは当然 逃げてるのは東電であり、国である。
ただちに被害ないから金儲けに走るのはやめてほしい。
今まで2年、仕事なかった。
スポンサーがいるから。
投票率の低さ、政治はあきらめられている。 都民のみなさん、不安を抱えて、人にも話せず生活していた この国は泥船が沈むかどうかの瀬戸際 原発を推進するなんてあり得ない話。
エネルギーは足りてるのに原発を続ける理由はない。
投票率の低さは政治というのはあきらめられている。
心の中に不安を抱えて生活してきた。この国は沈むかどうかの泥船。原発推進するなんてありえない。それもお金のために覆い隠す。エネルギーをたりているのに原発推進するのはありえない。
残り1つの議席を誰が獲得するのかーー。
結果が判明したのは、21日23時半過ぎのことだった。自民・現職の武見氏当確の報が流れた。武見氏の事務所に詰めていた自民議員から、当選時の様子がツイートされている。
5議席分の当確が報じられると、議席獲得がならなかった陣営からも声が上がり始める。
民主党現職の鈴木寛氏は、渋谷区のホールで支援者に頭を下げた。
素晴らしい教え子のみなさん、仲間のみなさん、応援団のみなさんに支えられて大変充実した選挙戦をやらせていただいた。
結果はしっかり受け止めていきたいと思います。
私はこれからも日本のひとづくり・・・ この志は、今回の結果あればこそですね、みなさんと一緒に本当にいい日本をつくっていきたいと思っています。
本当にみなさんありがとうございました。これからもがんばっていきますのでよろしくお願いします。
(選挙結果について)
大変厳しい結果だったと思いますし、一緒に頑張って下さったみなさんに申し訳ない気持ちでいっぱいです。
(及ばなかった理由は?)
まだいま結果が出たところ。われわれは、民主党に対して逆風の中、素晴らしいチームで、日本一のチームだったと思います。すごくうれしく思うし、みんなと闘えたこと誇りに思う。
(民主党は候補者を一本化した。一議席にこだわりましたけど、その点については)
首都東京で、民主党、民主主義を守るという意義付けを守れなかったことは残念、申し訳なかった。
(党の再建には何が必要か?)
いまはまだ、結果が出たばかりなので。
やっぱりもっと思い切って国民の皆さんに言うべきことを言うということなんだと思う。
(ネット選挙について)
有利とか不利とかでなく、ネット選挙がよいとか悪いとかでなく、国民のみなさんが、この国の社会のこと、将来のこと、議論していただく、そのきっかけになったこと、私はよかったと思う。
結果としては、有権者の皆さんに東京選挙区の議席を託す人としてふさわしいと思ってもらえなかった。誰かと比べるという話ではない。
当初から双方向型の熟議をする民主主義をつくるためのその第一歩 そういうネット選挙の歴史は作れたと思う。
12年前も教育は票にならないと言われ続けて、でも教育をやらなきゃ意味がないと思ってやり続けた。今回もひとづくり。それは私のライフワーク。結果は結果として、私の使命をやりつづける。
民主党執行部、全力を尽くしてもらえたことは心から感謝。東京の中で、一人ひとりの人生や命が大切だという主張をしてきた。議席を守れなかったことは大変残念。
公示2日前に民主の公認を取り消された無所属現職の大河原氏は、トップ当選だった前回と一転、今回は落選が確実となり、支持者らに頭を下げた。朝日新聞デジタルによると、落選の報を受け、「公示2日前の、候補者調整はやはり理不尽。せめて半年前だったら」「民主への逆風は誰がやっても止められない」と語ったという。
みんなの党から出馬した桐島ローランド氏は、選挙事務所で「準備期間が短く、力不足だった。大切な東京で議席を落としたことに責任を感じている」と話したという。
日本維新の会から立候補した元日本テレビアナウンサーで新顔の小倉淳氏(維新)は、開票開始時からニコニコ動画で生中継を行った。中継に生出演した議員は、落選のほうが報じられたあと、下記のようにツイートした。
東京選挙区の5議席分の当確には、インターネットで様々な反応が上がっている。一例を紹介する。
なお、東京都の投票率は、53.51%となり、前回の58.70%より5ポイントほど低くなった。
【※】今回の東京選挙区の選挙結果をどう考えますか?読者の皆様のご意見をお聞かせください。
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