世界8位の大富豪、16ヵ月で33億ドルを失う

あなたはたぶん、10ドル札(約980円)をなくしても悲しく思うことだろう。では、33億ドル(約3240億円)を失うことはどうだろうか。
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Eike Batista, chief executive officer of EBX Group Co. Ltd., listens during a Bloomberg Television interview at the annual Milken Institute Global Conference in Beverly Hills, California, U.S., on Monday, April 30, 2012. The conference brings together hundreds of chief executive officers, senior government officials and leading figures in the global capital markets for discussions on social, political and economic challenges. Photographer: Patrick Fallon/Bloomberg via Getty Images
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あなたはたぶん、10ドル札(約980円)をなくしても悲しく思うことだろう。では、33億ドル(約3240億円)を失うことはどうだろうか。

これは、ブラジル人実業家エイケ・バチスタ氏の身に実際に起こったことだ。バチスタ氏は2012年、まさしく世界の頂点に立っていた人物だ。地球上で8番目の金持ちとしてすばらしい人生を送り、メキシコ在住の「世界一の大富豪」カルロス・スリム氏を追い越して世界で一番の大金持ちになるとさえ宣言していた。

だが、それは続かなかった。バチスタ氏は、34.5億ドル(約3390億円)あった自身の資産の価値が、16ヵ月ほどの間に約33億ドルも急落する事態を見ることになったと、ブルームバーグは報じている。大きな問題となったのは、バチスタ氏の所有する石油コングロマリットOGX社の株価が2012年に90%も下がったことだ。そのため、投資家に返済すべき負債を引くと、バチスタ氏の手元には2億ドル(約196億円)という、これまでと比べればわずかなお金しか残らない結果となった。

ブルームバーグが大富豪ランキング「Bloomberg Billionaires」の掲載を開始した2012年3月以来、バチスタ氏は個人の純資産の価値が最も下がった人物になったという。

バチスタ氏は、そのカリスマ性と豪華な生活で知られているが、祖国のブラジルが力強い経済成長を続けていたときに楽観的すぎたのかもしれない(その後、ブラジル経済は厳しい時期を迎えている)。

しかしバチスタ氏は、General Electric社、IBM社、Mubadala Development社(アブダビ政府の投資ファンド)など、OGXに投資した企業に対して負債を抱えている今でも、その楽観主義は衰えていないようだと、『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙は伝えている

バチスタ氏は先週、地元紙『Valor Economico』に寄稿した文章の中で、自身の会社を上場したことに後悔の念を示しながらも、「私は自分が負うすべての義務を履行する」と述べた。

この数年で急速な経営状況の悪化に見舞われた富豪には他にもいる。IKEA社の設立者であるイングヴァル・カンプラード氏は、[2007年には総資産額310億ドル世界第7位とされたが、]2011年3月に170億ドル(約1兆6690億円)という巨額を失った[英文Wikipediaによると、資産の法的解釈の問題のため]。

さらに『フォーブス』誌等によれば、ショーン・クイン氏は、2008年には総資産額が60億ドル(約5890億円)で、アイルランドで一番の富豪とされたにもかかわらず、2012年1月に破産申し立てをしている。

[Harry Bradford(原文/訳:佐藤卓、合原弘子/ガリレオ)]