イスラエル対外情報機関(モサド)のエフライム・ハレヴィ元長官は、ベンヤミン・ネタニヤフ首相がイランと主要6カ国の間で核開発プログラムに関する枠組み合意に反対したことを強く批判した。
イスラエルのニュースメディア「Ynet」によると4月6日、ハレヴィ氏はアメリカのバラク・オバマ大統領がイランとの合意を「歴史的」だと語ったのは正しく、イランは交渉の中で極めて大幅な譲歩案を提案したと主張した。
「長年にわたり、国際社会からの要請にも関わらずイランは自国の核開発計画に関連するいかなる対話も頑なに拒んできた」とハレヴィ氏はイスラエルのニュースサイト「Ynet」で述べた。「ローザンヌで取り付けられた枠組み合意は、イランが長年秘密裏に建設してきた核施設とその計画についての交渉に合意したもので、イランが条件つきで無血開城したことを裏付けるものだ」
イランと交渉にあたったP5+1(国連安保理常任理事国のアメリカ、イギリス、フランス、中国、ロシア+ドイツ)は2日に経済制裁緩和の見返りとして問題のイランの核開発計画の制御を目的とする協定の枠組みに合意した。この枠組みが6月30日を期限とする最終合意をまとめる次の協議への道を開くことになる。
2日に枠組み合意が発表されるとすぐ、ネタニヤフ首相は枠組みの内容を激しく批判し、今議題に上がっている対策はイランを核兵器の使用から遠ざけるものではないと主張した。ネタニヤフ氏はまた、イランに対し最終合意の中でイスラエル国家の存在を認めるべきだと要求した。
ハレヴィ氏は英語で掲載された彼のコラムの中で、ネタニヤフ首相と政府に対しオバマ大統領からの交渉要求を受け入れ、6月30日に迫る合意内容改善に貢献するよう促した。「それにしても、イスラエルは早まった反応をした。理解を示そうとする合意を全面的に否定してしまった。この協議の妨害を目的としたイスラエルのキャンペーン開始を予告するかのようだ。この合意が破棄されれば、当然それまでに成立した相互理解も崩れてしまう」とハレヴィ氏は述べた。
ハレヴィ氏はまた、ネタニヤフ首相が「イランは最終合意でイスラエル国を承認せよ」という要求についても厳しく非難した。「当然イランは自国の立場を変えることはないだろう。だから、このような要求をすること自体、その人物が合意を望んでおらず、より攻撃的な解決策に目を向けているとみなされる」
ハレヴィ氏は1998年から2002年までモサドを指揮してきた。彼は1996年に欧州連合(EU)のイスラエル大使にも任命され、アリエル・シャロン元大統領の国家安全保障補佐官も務めた。ハレヴィ氏は長年にわたって、イラン核開発計画を外交努力で抑止することを提唱している。
この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。
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