京都大が無料授業配信を行うedXの特徴、Studyplusのようなコミュニティーツールがあるともっと楽しそう

京都大は、世界中の大学が、インターネットで講義を無料配信するオンライン教育システム「edX(エデックス)」に、日本で始めて参加すると21日、発表した。来年度から一部の講義を無料で配信する。edxとは何か…

京都大は、世界中の大学が、インターネットで講義を無料配信するオンライン教育システム「edX(エデックス)」に、日本で始めて参加すると21日、発表した。来年度から一部の講義を無料で配信する。

edXについては、リセマムが下記のように報じている。

「edX」は、ハーバード大学とマサチューセッツ工科大学が共同で設立したxコンソーシアムという非営利機関。無料オンライン講義のプラットフォームを提供する。京都大学は、edXが世界のトップ大学連合による非営利組織によって運営されていることや、オープンソース化に基づいていることなどを参加の理由に挙げている。

リセマム 2013/5/22 09:48)

edXには既に、30弱の大学が参加しており、歴史や経営・マネジメント、経済・金融、科学、法律、社会科学など22のジャンル授業がオンラインで受講出来る。

edXが提供しているオンライン授業には、例えば、下記のようなものがある。

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「人工知能」Artificial Intelligence

運転ルートの計算、スパムフィルタリング、顔認証などの人工知能など様々な箇所で人工知能が使われるようになってきた。この授業では、人工知能の設計の基礎となる基本的な考え方やテクニックを紹介。

「薬品開発がもたらす影響」Take Your Medicine - The Impact of Drug Development

これまでの過去において、薬品開発が起業家精神やマーケティング、消費者問題など政府の規制などにどのような影響を与えてきたかを学ぶ

国境を超えての貿易や投資、テクノロジーの進化が各国にもたらす影響から、世界における勝者と敗者の現状と問題点について学ぶ。

「建築の世界史 パート1」A Global History of Architecture: Part 1

世界史を紐解きながら、政治や経済が建築に与えた役割を学ぶ

なお、京都大学のホームページによると、同学が提供するのは、化学の授業らしい。

配信する最初の講義

本学からedXへ配信する最初の講義は、上杉志成 物質-細胞統合システム拠点および化学研究所教授の「生命の化学: Chemistry of Life」です。来年の春から配信する予定で、今年の夏から受講の募集を始めます。

(京都大学ホームページ 「日本で最初にedXのコンソーシアムに参加しました。」より 2013/5/21)

edXがiTunes Uと違うのは、iTunes Uがビデオ教材だけであるのに対し、edXでは授業でテストを受けたり、宿題を出したりが可能。授業は英語で行われるが、動画の横に英語字幕が表示される。

例えば、マイケル・サンデル教授の「JUSTICE(正義)」の授業では、毎週特定の時間にスタッフに質問ができたり、ディスカッションが行われたりする。

リアルタイムでの質問タイムやディスカッションがあるため、登録できる期間や受講期間に制限があるという点が、単なるビデオでの講義と違う点ではあろう。

少し残念なのは、ユーザー同士でのコミュニティツールが充実していないという点だ。22日、ミクシィがミクシィが2社に出資するというニュースが報じられているが、出資先のうちの一つであるクラウドスタディは、学習記録共有SNS「Studyplus」というサービスを提供しており、2013年2月末で会員数約8万人、月に1万3000人ほど会員が増えているとのこと。

会員数の増加の原因については、自分だけが学んでいるわけではないという事がわかる「見える化」と、他のユーザーとのゲーム感覚の軽い競争であったり、自分が学んでいることに対する「優越感」などが考えられる。

もしStudyplusのようなツールでコミュニケーションを取りながら、授業を受けることが出来たら、オンラインでの学習も、より楽しいものになりそうだ。

「日本人は大学で勉強しない。」といわれる事が多いようだが、工夫次第で学ぶ学生は増えるのではないか。