東京都中央区立泰明小学校が、「アルマーニ」デザインの標準服を採用したことを巡り、林芳正・文部科学相は2月8日、衆院予算委員会で「制服を決める過程で、保護者の皆さん、ステークホルダーの皆さんともう少し話をしてこられればなあという印象をもった」という考えを示した。
希望の党の寺田学氏からの質問に答えた。
質問の中で、寺田氏が新聞などで公立学校の制服の価格に差があることや学校が指定する物品の現状について「実態調査をするべきではないか」とただした。これに対し、林文科相は「子どもの学習費調査で制服についても支出を把握している」として、調査結果を答弁。
【小学1年生】(2016年度)
公立が14000円、私立が79000円、
【中学1年】
公立が51000円、私立が97000円
ーーとして「一定の負担がある」という認識を示した。
ただ、「来年、再来年の入学者に向けてもう一段踏み込んだ実態の把握を」と改めて聞かれると、「実態を全学校で調べるとかなりの負担になる。この調査を通じて実態を把握し、必要な対策がないのか、しっかり検討していきたい。公正取引委員会も制服の取引実態に関する報告書をまとめている。そうしたものを参考にしながら、過重な負担にならないようにしていきたい」と消極的な姿勢にとどまった。
また、寺田氏が「英国の(制服ガイダンスの)ように一つの基準を(教委などに)出して、親御さんの経済的負担を減らすべきだ」と指摘したのに対し、林文科相は「保護者負担も厳しく我々もとらえていかなければいけない問題。公取委の調査を積極的に参考にしながら、どうしたら保護者負担が過重なものにならないか、しっかりと検討して、指針のようなものを含んだ通知の発出を含めて検討して参りたい」と話し、何らかの善後策をとることも示唆した。