徳川家光の「江戸城天守」2020年に復元めざす 20階建ての高層マンション相当、くまモンもエール

江戸城の天守を再建するためのNPO法人「江戸城天守を再建する会」の発足集会が11月27日、都内の学士会館で開かれた。江戸城の天守は、1657年に「明暦の大火」で焼失して以降、再建されていない。このNPO法人では、東京オリンピックの開催に合わせて2020年の竣工を目指している。
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江戸城の天守を再建するためのNPO法人「江戸城天守を再建する会」の発足集会が11月27日、都内の学士会館で開かれた。江戸城の天守は、1657年に「明暦の大火」で焼失して以降、再建されていない。このNPO法人では、東京オリンピックの開催に合わせて2020年の竣工を目指している。

3代将軍の徳川家光が寛永年間に建てた5階建ての天守を、木造建築で正確に再現。高さは約60メートルで20階建ての高層マンションに相当し、日本の天守で最大となる。

同会は「江戸城再建を目指す会」として2006年に発足。会員数が3000人を突破したことを節目として、会名を「江戸城天守を再建する会」に改めた。冒頭で太田資暁会長は「もともと当会は、資金的なバックも、政治的なバックもなかった草の根運動。会名を変更したことで、江戸城再建に向けた節目になれば」とあいさつした。

この日の発足集会では、「江戸城再建の今日的意義と課題」と題するシンポジウムも開かれた。東京工業大学の中井検裕教授は「東京の原点は江戸城。もともと東京は江戸城を中心に整備した街なので、東京の歴史を生かした街作りを考えると、江戸城は極めて重要。文化や交流のランドマークとして位置づけられる」と語った。日本経済研究所の小林宣行氏は「天守再建に伴う経済波及効果は約1000億円。国際会議の開催場所にすれば、各国の首脳にも喜んでもらえるはず」と話していた。

さらに、加藤清正が熊本城に居を定めた後に、江戸城を築城をした縁もあり、熊本県のキャラクター「くまモン」が登場。激しいダンスでエールを送ると、会場からは「かわいい!」などと歓声が飛んだ。

ただし、350億円もの総工費をどこから捻出するかなど課題は多い。中でも、建設予定地の天守台は国有地の皇居・東御苑にあり、特別史跡に指定されている。宮内庁などの認可が必要なことが大きなハードルだ。今回の集会でも太田会長は「天皇家の敷地内なので、誰かが美智子様にお願いして、『あら、いいわね』と言って頂ければ、絶対に成功するのだが……」と思わず漏らす場面もあった。

【※】皇居内に江戸城天守を再建してランドマークにする復元構想について、読者の皆様はどう感じましたか?コメント欄にご意見をお寄せください。

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