エクアドルの憲法裁判所は6月12日、 同性婚を認めるべきだという判決を下した。
判決により、エクアドルでは近日中に同性カップルの結婚が可能になる見込みだ。
裁判では、9人の判事のうち5人が同性婚に賛成し、4人が反対した。
BBCによると、エクアドルの憲法は結婚を男女間のみと定めている。
反対した4人の判事は、同性婚を実現するには国会で憲法の改正を話し合うべきという理由で、反対した。
しかし賛成した5人の判事は、「全ての人は平等であり、同性カップルが結婚できない現在の法律は差別的で違憲」と判断。同性カップルにも、平等な婚姻の権利が付与されるべきだという立場をとった。
エクアドルは、南アメリカ大陸北西部に位置する、人口約1662万人の国だ。面積は本州と九州を合わせたくらい。国民の大多数がカトリック教徒の国で、画期的な判決だと言える。
裁判は、2組の男性カップルが平等な婚姻の権利を求めて起こした。
そのうちの1組、エフレイン・ソリアさんとシャビエル・ベナルカザーさんは、シビルユニオン(同性パートナーシップ制度)を結んでいた。しかしシビルユニオンでは、結婚が保障する権利の多くが受けられない。
ソリアさんは判決後に記者会見し「他の人たちと同じように、平等になったことを喜びましょう。これは我々のコミュニティ全員、そしてエクアドルにとっての喜びです」と語った。
憲法裁判所の判決を受け、エクアドル議会は同性婚ができるように法律を改正しなければいけない。
しかし憲法学者のサリム・ザイダン氏は「憲法裁判所の判決には強制力があり、憲法裁判所が地方自治体に判決の通達をすれば、すぐに同性カップルは結婚できるようになる」とCNNに説明する。通達は、10日以内に行われるという。
元最高裁判所長官のグスタヴォ・マディーナ氏も、「判決には拘束力があり、エクアドル当局は判決に従わなければいけない」とAFP通信に語っている。
中南米ではこれまでに、アルゼンチン(2010年)、ブラジル(2013年)、ウルグアイ(2013年)、コロンビア(2016年)で同性婚が認められており、コロンビアは5カ国目となる。
また、エクアドルが加われば、世界では同性婚ができる地域は27になる。
<エクアドルで、婚姻平等実現を喜ぶ人たち>