8〜9月の景気はどうなる?敏感な人に聞いてみた 「パチンコ店、夜の客増えて改善」

景気に敏感な職業の人たちは、今後の景気についてどのような判断を行っているのか。景気ウォッチャー調査に寄せられた意見を紹介する。

景気に敏感な職業の人たち2050人に、景気の現状や今後の見通しを報告してもらう「景気ウォッチャー調査」の2014年6月の調査結果が、7月8日、内閣府から発表された。

街角景気の現状を示す指数は、前の月より2.6ポイントプラスの47.7と2カ月連続で上昇。「5月末の異例の猛暑や6月初めからの記録的な長雨の影響でエアコンの需要が増えてきている」「クールビズで買換え需要があり来客数増」などの意見がでており、内閣府は「消費税率引き上げの反動減が和らいだ」とみている。

一方、2〜3カ月後を占う先行き判断指数は53.3で、前月より0.5ポイント低下。「良くなる」と答えた人からは、「ボーナスが支給されるため」という理由が多く出ているが、ガソリン高や物価の値上がりの影響を心配する声もでており、景気好転の実感が得られないことで慎重に判断している姿勢が見られる。

今後の景気について、景気に敏感な人はどのような理由から判断しているのか。具体的な意見の一部を紹介する。

■景気が「良くなる」「やや良くなる」と答えた人

近畿・百貨店(売場マネージャー)

「化粧品など、消費税増税前にまとめ買いされたアイテムが切れ始めている。寝具やリビング関連などは思った以上に早く改善している」

北海道・旅行代理店(従業員)

「2〜3か月先の旅行に関する問い合わせが増えている」

南関東・家電量販店(営業統括)

「高機能扇風機の販売が例年より早めに動き出している。オーディオ関連商品など、生活必需品以外の商品へ客の関心が高くなっている」

南関東・都市型ホテル(スタッフ)

「外国人旅行客の宿泊利用が順調、レストランでの高額メニューの販売が順調」

パチンコ店(経営者)

「消費税増税で客足が遠のいたが、最近は普段と変わらず、夜の客も戻ってきて前より少し入るようになっている」

語学学校(経営者)

「問い合わせ件数が増加傾向」

東北・タクシー運転手

「駅近くの駐車場にいる観光バスはいつも満員。近くの野球場も人で溢れている」

■景気が「悪くなる」「やや悪くなる」と答えた人

九州・家電量販店(店員)

「サッカーワールドカップの日本代表は残念な結果になったが、勝敗が消費動向を結構左右する」

中国・スーパー(業務開発担当)

「原油高の影響で包装材料が値上がりしている。原価上昇分を商品価格に転嫁したときの客の反応が不安」

北陸・一般レストラン(統括)

「建設などの一部業界の景気が良くなることで、外食に従事する労働者の不足が深刻。人手不足により年中無休営業ができないことや営業時間の短縮などが、売上、来客数の減少につながっている」

南関東・学習塾(経営者)

「消費税増税で授業料を上げなかった学習塾に移動するケースがあり、売上が下がっている」

北海道・通信会社(企画担当)

「当社、競合他社ともに、夏に提供するサービス、商材が出そろい、店舗間の競争が激しくなってきている」

南関東・タクシー運転手

「景気とは関係なく、残業が減る傾向にあり、深夜にタクシーを利用する客が全く増えていない状況を心配している」

■景気が「変わらない」と答えた人

北海道・観光型ホテル(役員)

「貸切バスが不足しているなか、安全性向上を目的とした新料金体系が導入されることで料金が高くなり、利用敬遠につながることが懸念される」

九州・輸送業(総務担当)

「ガソリン等の燃料費が高止まりしている。預かっている荷物の荷動きからするとあまり消費は伸びていない」

東海・コンビニ(商品開発担当)

「消費税増税による落ち込みは緩やかな回復傾向にあるが、デザートなど節約可能な商品に対する買い控えは続き、本格的な回復にはまだ時間がかかる」

南関東・乗用車販売店(経営者)

「ガソリンの高騰は、ハイブリッド車への乗り換えのプラス要因と車を維持できない生活環境へのマイナス影響の両方が出ている」

東海・百貨店(売場主任)

「クリアランスセールを前に下見客が少ない」

東北・美容室(経営者)

「夏に向けてカットの来客数は増加しているものの、パーマやカラーリングの来客数が減少している」

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