西アフリカでエボラ出血熱の流行が過去最悪の規模となっている。リベリア政府は7月30日、これ以上の流行を防ぐため、国内全ての学校を閉鎖する方針を発表。特定地域の隔離も検討しているという。NHKニュースなどが報じた。
およそ130人の犠牲者が出ている感染国の1つ、リベリアの政府は30日、「公衆衛生上の緊急事態に直面している」として、国内のすべての学校について、一時的に閉鎖する緊急対策を発表しました。
リベリアだけでなく、隣国のギニアとシエラレオネでも感染の広がりに歯止めがかからない状況が続いていて、国が貧しくもともと医療体制が整っていないなかで最前線で治療に当たってきた医師などの医療従事者が感染して死亡する事例も相次いでいます。
(NHKニュース「エボラ出血熱 リベリアが緊急対策」より 2014/07/31 10:15)
世界保健機関(WHO)は、これまでに確認したり、疑われたりする人が1200人を超え、死者が672人になったと発表した。感染規模、死者数とも過去最悪となり、さらなる被害の拡大が懸念されている。
WHOによると、23日現在の国別死者数は▽ギニア319人▽シエラレオネ224人▽リベリア129人。さらに、ナイジェリア政府は25日に最大都市ラゴスで死亡したリベリア人男性について「エボラ熱が原因」と発表。WHOも確認を急いでいる。
(毎日新聞「エボラ出血熱:死者最悪672人 西アフリカ中心に拡大」より 2014/07/30 13:06)
シエラレオネでは29日、エボラ対策の陣頭に立ち「国民的英雄」とたたえられていたシェイク・ウマル・カーン医師(39)が感染によって死亡した。
深刻化する事態を受け、途上国を支援するアメリカの政府組織「平和部隊」は30日、リベリア、シエラレオネ、ギニアの西アフリカ3カ国で活動するボランティア340人を国外に一時退避させると発表した。
エボラ出血熱とは急性ウイルス性感染症の一つ。コトバンクなどによると、1976年にスーダンとコンゴ(旧ザイール)の国境付近で発生。最初に感染した男性が、ザイール(現コンゴ民主共和国)のエボラ川近くに住んでいたことから、名付けられた。症状が進行すると吐血・鼻出血など全身にわたって出血傾向を呈し、致命率は70パーセント以上に達する。感染症予防法で、危険性が極めて高い一類感染症に分類される。国際感染症のひとつ。
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