西アフリカで広がっているエボラ出血熱は、世界の食生活にも影響を及ぼすと懸念されている。
特に影響を受けているのがカカオ豆だ。カカオ豆の生産の、世界の半分強を占めるコートジボワールやガーナが、エボラウイルスの感染者が最も多いリベリアやギニアの隣国であるためだ。10月17日、ウォール・ストリート・ジャーナルなどが報じた。
先月下旬の先物市場ではココア価格は3年半ぶりの高値をつけた。同地域の主要カカオ収穫期は10月1日に始まったが、これが過去数週間の先物市場に影響を及ぼしている。9月のココアの平均価格は1トン当たり3221ドル弱で前年同期比23%高となった。
(ネスレ、エボラ出血熱で「警戒態勢」―カカオ産地への拡大を懸念 - WSJより 2014/10/17 10:32)
カカオ豆の価格の上昇は、チョコレートにエボラウイルスが含まれるからという懸念からではない。アメリカの公共ラジオ放送、ナショナル・パブリック・ラジオによると、コートジボワールなどのカカオ農園には、リベリアなどからの出稼ぎが多い。感染拡大を防ぐために国境は封鎖されているが、カカオ農園の労働者不足は、カカオ豆の供給に影響を及ぼすという。
近年、コートジボワール政府は、カカオ豆農家の生活を改善するためカカオ豆の価格を引き上げてきた。また、チョコレートへの需要の伸びから投機マネーも流入し、価格高騰に拍車をかけている。エボラ出血熱の影響が長引けば、さらなる高騰も予想される。
カカオ豆の高騰を受け、チョコレートメーカーの間ではチョコレートに含まれるココアバターをパーム油ベースの代替油脂(CBE)に変える動きが出ていた。しかし、CBEは飽和脂肪酸値が高くコレステロール値を上げる要因となるため、体にはあまり良くない物質との見方もあるという。
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