電子行政を推進しようとしている政党はどこか?

衆議院議員選挙は、われわれ国民の意思を示すチャンスである。メディアも各政党の公約を報道するが、アベノミクスや集団的自衛権に偏り、そのほかの政策に関する情報は少ない。
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衆議院議員選挙は、われわれ国民の意思を示すチャンスである。メディアも各政党の公約を報道するが、アベノミクスや集団的自衛権に偏り、そのほかの政策に関する情報は少ない。一方で、新経済連盟はVote for Japanという特設ページを立ち上げ、情報通信政策を中心に各党へのアンケート結果を掲載している。これを利用して、電子行政の推進にどの政党が積極的で、どこが消極的かを比較してみよう。

「ITを用いた行政効率化・電子政府」について、各党の回答は次の通りである。

賛成:自由民主党、民主党、公明党、維新の党、次世代の党

どちらかと言えば賛成:共産党

電子行政の推進にはほとんどすべての政党が賛成しているから、争点ではないように見える。しかし、「対面原則・書面交付原則の撤廃」について、各党の回答は分かれている。

賛成:自由民主党

どちらかと言えば賛成:公明党、維新の党、次世代の党

反対:共産党

その他:民主党(今後、検討していく)

実は、対面原則・書面交付原則こそが電子行政化への阻害要因である。一例を上げよう。戸籍に関する手続きは戸籍法に規定されている。第27条は「届出は、書面又は口頭でこれをすることができる」とし、第27条の二は「市町村長は、...当該出頭した者が届出事件の本人であるかどうかの確認をするため、当該出頭した者を特定するために...運転免許証その他の資料の提供...を求めるものとする」となっている。この二つの規定を改正しない限り、戸籍に関する手続きを電子化することはできない。

したがって、「ITを用いた行政効率化・電子政府」と「対面原則・書面交付原則の撤廃」の回答を組み合わせると、電子行政の推進に最も積極的なのが自由民主党で、公明党、維新の党、次世代の党はそれよりも腰が引けていることがわかる。「対面原則・書面交付原則の撤廃」について自由回答部分を読むと、三党はネット販売について回答したに過ぎないこともわかる。民主党は与党時代に電子行政推進を掲げてきたはずだが、「対面原則・書面交付原則の撤廃」を政策調査会で検討してこなかったのか、不可思議だ。そして、もっとも保守的で、今までの紙の政府を維持しようとしているのは共産党である。

繰り返すが、衆議院議員選挙は、われわれ国民の意思を示すチャンスである。この記事も参考にして投票先を決めてほしい。